F15、機器不全で墜落 米軍機事故原因、不具合理由は不明


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 米空軍嘉手納基地は21日、昨年5月に本島東側の海上に墜落したF15戦闘機と、同8月に宜野座村のキャンプ・ハンセン内に墜落したHH60ヘリの事故に関する調査結果を発表した。

F15の墜落は、操縦を補助する機器の不具合で機体を操作できなくなったとして、機器の機能不全が原因だと断定したが、不全の理由は未判明と説明した。一方、8月に起きたHH60ヘリの墜落原因は、操縦士の判断ミスによる「人為的な原因」と結論付けた。
 嘉手納基地では、21日にも滑走路上で緊急停止するなど、昨年の事故後もF15のトラブルが相次ぐが、同基地の担当者は「再発防止策に自信を持っている」と述べ、飛行停止などの措置は取らないと説明した。周辺自治体は反発している。
 同基地の説明によると、F15事故は本島東側の訓練空域での戦闘訓練を終えた2機が帰還する際、1機が操作不能となり、約1370メートルの高度から旋回しながら墜落した。米軍事故調査委員会は機体を安定化させる「ピッチロール回路機器」の機能不全で、操縦が不能になったことが直接の事故原因と断定した。
 機器に不具合が生じた原因については本国で詳細を調査中だが、判明していないという。嘉手納基地は同機器に異常が起きても、スイッチを切ることで操縦可能となるが、操縦士が把握していなかったと説明。同機器の不具合による墜落事例はないとしている。