防衛局、嘉手納弾薬庫の黙認耕作地「撤去を」


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 【沖縄】米空軍嘉手納基地より南の6施設・区域の返還・統合計画に伴い、牧港補給地区(キャンプ・キンザー)の倉庫群の一部が嘉手納弾薬庫知花地区へ移転する問題で、沖縄防衛局が同地区内の全ての黙認耕作者を対象に新たな植え付けを認めず、1年以内に畜舎や倉庫、農業機械などを撤去するよう求めたことが、23日までに分かった。

撤去に応じない場合、強制的に排除するという。倉庫建設予定地の黙認耕作地は立ち退きを迫られ、その他地域は制限して耕作が認められる見通し。
 沖縄防衛局が20日、嘉手納弾薬庫知花地区内で、黙認耕作者への耕作物や占有物の聞き取り調査を行った際、職員が明らかにした。
 局職員によると、知花地区内の撤去対象地域は約50ヘクタール。同地域を3カ所に分けて、いずれかのエリアに倉庫群を移転すると説明した。黙認耕作関係者によると、対象地域内に耕作者は数百人程度いるという。
 撤去対象には地区内で開かれるフリーマーケットの設備も含まれる。倉庫群の移転地以外は継続して耕作が認められる見通しだが、出入りに通行パスが必要になる。現在、ゲートの鍵を所持する耕作者は24時間出入り自由だが、移転後は通行時間が午前8時~午後5時に制限されるという。
 倉庫完成後も大規模な工作物の所有は認められず、畜産は行えない。撤去費用の補償や田畑の代替地提供などについて、沖縄防衛局職員は「現段階で分からない」と話したという。(宮城征彦)