日台漁業委員会で一部水域での操業ルールに合意


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 日台漁業取り決め(協定)に基づく政府レベルの第3回日台漁業委員会が24日、台湾・台北市内であり、協定の合意水域内の一部水域における操業ルールを合意した。八重山諸島北側の三角水域と久米島西側の「特別協力水域」の一部水域で、日本漁船の操業が可能になる。2013年4月の協定締結後、県内漁業者は両水域で操業を自粛していた。

合意内容のうち、日本側が主張していた船の間隔4カイリ(約7・4キロ)が全水域に適用されなかったことに対し、漁業関係者からは不満の声もあった。
 八重山諸島北側の三角水域は、東経124度から東側で、日本は5日前までに台湾に通報した上で4カイリ間隔で操業する。日本側が操業している間は台湾側も4カイリ間隔で操業する。この取り決めは14年4~7月の限定で、15年以降の漁期については再協議する。
 久米島西側の「特別協力水域」は、北緯26度線を境に北側は日本、南側は台湾の漁法で操業する。13年12月の第2回会合で大筋合意した無線機器の設置や漁具の放棄、漁船保険への加入推進なども正式に合意した。
 日台両者は24日、操業ルールを定める文書に調印した。クロマグロ漁が始まる4月を目前に控え、漁船間隔で対立していた両者は、それぞれの漁法を適用する漁場を設定することで合意を取り付けた。
 県日台・日中漁業問題対策等漁業者協議会の国吉真孝会長は「日本の漁法が全域で適用されず不満は残るが、漁船の距離をとれてるから安全性は確保できる」と一定評価した。