【交差点】沖縄料理に乾杯


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 海外での妊娠で一番恋しかったもの、それは沖縄の食べ物。出産後、母が初産の私と孫の世話のために来泰すると聞き、その日を待ち遠しくしていた。出産という大仕事をした私は、ここぞとばかり、母に甘えるように沖縄料理をリクエスト。ラフテーにソーキ汁、ポーポー、ゴーヤーチャンプルーなど定番の沖縄の味を作ってもらった。2年ぶりに食べる沖縄の味は懐かしく、疲れ切った私の体を癒やしてくれた。
 だが、育児というものはどんなに疲れていようが休めないもの。最初は食欲旺盛な娘に母乳がついていかず悩まされた。そんな時、母は、昔のことを思い出し、パパイアチャンプルーを作ってくれた。母も私たちを出産したときに祖母からパパイアを食べるように言われたそうである。パパイアは母乳にてき面。その後は、母乳の出がよく、娘も泣かなくなり体重は順調に増加。育児の一番の悩みを解消させてくれた。
 母は、海外で沖縄料理を作れるのかと不安がっていたが、ここはタイ。沖縄と気候が似ているため、ある程度の食材はそろうのである。世界のどこにいようが故郷沖縄の味は私にとって一番のエネルギー源であり、育児に一役買った沖縄料理に感謝している。
 (上原洋子・タイ在住主婦)