コザ(男子)北山(女子)頂点 県高校新人駅伝


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 第21回県高校新人駅伝は31日、今帰仁村総合運動公園を発着点に男女とも5区間21・0975キロで争われ、男子はコザが1時間7分32秒で6年連続8度目の優勝を飾り、女子は北山が1時間21分53秒で初の頂点に立った。男女の優勝校は九州選抜高校駅伝(3月9日・鹿児島県)に出場する。

<女子>
 【評】女子は序盤で独走態勢を築いた北山が他を寄せ付けなかった。1区長山夢芽が2位に31秒差をつけるトップでたすきをつなぎ、2区仲井真エンドリアみどりが長山に続く区間賞でリードを1分56秒に広げた。後半3区間も粘走し、先頭を譲らなかった。名護は1区7位スタートから3区石嶺優華の区間賞などで順位を上げ、2位に入った。3位は4、5区の終盤で追い上げたコザ。4位にはアンカー知名祐美子が1人抜きを見せた糸満、5位には4区で友利倫子が区間賞を取った宮古が続いた。

<男子>
 【評】男子は層の厚さを見せたコザが6連覇した。1区神里裕司が後続に12秒差をつけるトップで発進。2区で5秒差に詰められたが、3区與那嶺悠歩で再び34秒のリードを奪い、4、5区は区間賞の走りで逃げ切った。1区5位発進の沖縄工は、2区来間海都で順位を一つ上げると3区瑞慶覧裕介が区間新記録の快走で2位に浮上。以降は順位を保ち、昨年6位から躍進した。3位には全区間を4位以内でたすきリレーした宮古が入った。アンカーの嘉手苅柊希が1人かわした北山が4位、1区2位で発進した知念が5位だった。

◆「先手必勝」王道レース/北山
 1区で抜け出し、2区で突き放す。駅伝の鉄則「先手必勝」を絵に描いたような独走レースで、北山が頂点に立った。2区の仲井真エンドリアみどり主将は「一人一人が力を出し、ブレーキなく走り切れた」と胸を張った。
 4区を除いて昨年12月の全国高校駅伝出場時と同じオーダーと高い走力を誇るが、現在部員は4人だけ。普段はマネジャーの堤蘭が1カ月間の急ごしらえで4区を担った。さらに3区の宮城亜美と5区の嶋袋由惟は故障明けという、不安材料を抱えての挑戦だった。
 「とにかく後ろを離そうとどんどん攻めた」と流れをつくったのは、最長距離6キロの1区を走った長山夢芽だ。柔らかな接地でピッチを刻み、地元の大声援を背に駆け抜けた。31秒差でたすきを受けた仲井真も区間賞の走りでリードを1分56秒に広げた。
 2分以上のリードをもらった4区の堤も中学以来の長距離走で区間6位と粘った。「みんながついていると思って走った。きつかったけど楽しかった」と堤。チーム力で手にした勝利に仲井真は「今後につながるいいレースだった」と声を弾ませた。
 昨年末の都大路は58チーム中、最下位という苦杯をなめた。「ペースの速さやレースのやり方を学べた」と長山は言う。経験を力に、飛躍への挑戦がスタートを切った。
(大城周子)

◆層の厚さで6連覇/コザ
 右人さし指を突き上げ、コザのアンカー、宮平健太郎が軽やかにゴールへ飛び込んだ。男子の最多連続優勝記録を更新する6連覇。昨年の都大路を経験したメンバー4人を擁する層の厚さを見せつけた。
 ライバルたちに何度食い下がられても、引き離した。「速い人が集まる区間で力を試してみたい」と1区を自ら志願した神里裕司は残り2キロ手前で後続を振り切り、12秒のリードを奪ってたすきリレー。以降は差を縮められてはまた広げるという展開になったが、メンバー全員が区間2位以内と安定した走りでリードを守りきった。
 昨年の都大路で最下位の悔しさを経験し、チームの意識にも変化が出てきたという。練習後に、懸垂や体のケアなど各自で必要なことを考えて取り組んできた。この日は気温20度を超える暑さもあり、1時間5分台の目標は達成できなかった。
 主将のマーシュ・ショーンは「優勝はうれしいが、まだまだ力が足りない」。3月の九州舞台で「1秒でも九州勢に食らいつくレースをしたい」と新たな闘志を燃やした。(大城周子)

女子 北山の1区・長山夢芽(左)からたすきを受けて走りだす2区・仲井真エンドリアみどり=31日、今帰仁村与那嶺(花城太撮影)
男子 コザの3区・與那嶺悠歩(左)からたすきを受け取る4区のマーシュ・ショーン=31日、今帰仁村今泊