沖縄戦実話を熱演 伊江小6年、遺族も見守る


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上演後、佐次田さんの長男・勉さん(前列左から2番目)と次男・満さん(同左端)らと記念撮影する6年生=1月26日、伊江小学校体育館

 【伊江】伊江村立伊江幼稚園・伊江小学校(玉城洋之園長・校長)の学芸会が1月26日、同校体育館で開催された。6年生は「ガズィマールはこれからも」と題した創作劇を演じた。

 劇は、太平洋戦争中、激戦地であり米軍占領地となった同村を舞台に、現うるま市出身の故佐次田秀順氏(当時28歳)と宮崎県出身の故山口静雄氏(同36歳)の2人の日本兵が、母国の終戦も知らずに約2年間を同村西江前にあるガジュマルの木の上で過ごした実話に基づいたもの。台本は内間常喜さんが作成した。
 伊江島飛行場設営に関わる村民の様子や、戦時中の米兵との銃撃戦、2人の樹上生活を支えたものなどをイージマグチと英語を交えて演じた。劇を通して「平和の尊さや命の大切さ」を表現した。
 山口さん役を演じた6年生の玉城智浩君は「劇を通して、罪のない人を殺してしまう戦争は決して起こしてはいけないということを学んだ」と話した。佐次田さんの長男・勉さん(72)と次男・満さん(65)も会場を訪れ、勉さんは「(劇の最後の)一人一人のメッセージを聞き、父を思い出し、皆の平和に対する思いを実感した」と話した。(中川廣江通信員)