キングス振り切る bjリーグ第29戦


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キングス―大阪 第3クオーター、相手守備を振り切ってシュートを狙う小菅直人=8日、那覇市民体育館(桑原晶子撮影)

 プロバスケットボールbjリーグの琉球ゴールデンキングス(西地区1位=24勝4敗)は8日、那覇市民体育館で大阪エヴェッサ(同地区8位=13勝17敗)と今季第29戦を行い、72―63で勝利した。

第1クオーター(Q)の開始直後は速い攻撃を展開する両チームが接戦を繰り広げた。キングスは小菅直人や岸本隆一の3点シュートで得点を重ねたが、ターンオーバーが増えて大阪に流れを奪われた。第2Qには一時10点差をつけられた。それでもドゥレイロン・バーンズが内外から得点して追い上げ、37―35とキングスのリードで前半を終えた。後半はキングスが激しい守備で大阪の攻撃をはねのけ、第3Qをわずか8点に抑えた。外角シュートも好調で、岸本や山内が得点して大阪を寄せ付けなかった。大阪との第2戦は9日午後2時から同体育館で行われる。

琉球ゴールデンキングス(25勝4敗)
 72―63(16―22,21―13,19―8,16―20)
大阪エヴェッサ13勝18敗

 【評】キングスが後半にかけて修正し大阪を振り切った。第1Qはキングスがターンオーバーを量産してペースを乱した。守備でもリズムをつかめず、第2Qは最大10点差を追いかける劣勢になったが、バーンズがチームを引っ張って流れを取り戻した。第3Qはキングスが堅守で大阪の攻撃を抑えた。第4Q序盤は大阪が猛攻を仕掛けたが、キングスはマクヘンリーや岸本が内外から得点して逃げ切った。大阪はキングスの守備に手を焼き、ミスショットが多かった。(平安太一)

◆自分たちらしく 後半は積極的に
 伊佐勉HC(キングス)の話 前半は大阪のペースで我慢の時間だった。ディフェンスやフリースローのミスが重なるとこういう試合になる。ハーフタイムにはチームディフェンスを徹底しようと伝えた。後半は自分たちらしくアグレッシブにできた。

◆3Qの入り悪く点差を離された
 東頭俊典HC(大阪)の話 前半はいい感じだったが、第3Qの入りが悪くて点差を離された。第4Qに追いつけるところもあったが、リバウンドを取れなかった。3ポイントシュートを多く決められたのも敗因の一つだ。

◆勢い呼ぶ3点弾 キングス合計12本
 チームを勢いづける3点弾が何度もリングに突き刺さった。キングスが誇る長距離砲、岸本と小菅が決めた3点弾は合計10本。ともに2桁得点をたたき出して3000人を超えるブースターに勝利を届けた。伊佐勉ヘッドコーチ(HC)は「自信を持って(シュートを)打っていて、実力通りの仕事をしてくれた」と2人の健闘をたたえた。
 前半は明らかに精彩を欠いていた。大阪の新外国人に連続で得点を許し、最大の武器である守備で良さを出せなかった。守備の悪い流れは攻撃にも影響し、簡単なミスが重なって得点機を失った。シュートもリングに嫌われ始め、伊佐HCは「ミスがあったときアグレッシブさが欠けていた」と振り返る。フリースローも決まらず、得点を伸ばせない我慢の時間が続いた。
 流れが変わったのは第3Qだった。味方のフリースローミスを拾った小菅が岸本にボールを回して3点弾を演出。そこからキングスの猛攻が始まった。金城茂之がインサイドに攻めてポイントを奪えば、岸本と小菅は外から積極的にシュートを狙った。守備でもコート全体のプレッシャーで大阪に得意なプレーをさせなかった。小菅は「今日はフリーで打つことができた」と語り、「次も思い切りよく攻撃したい」と決意を込めた。(平安太一)