キングスかわす bjリーグ第30戦


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キングス―大阪 第2クオーター、レイアップシュートを決めるドゥレイロン・バーンズ=9日、那覇市民体育館(諸見里真利撮影)

 プロバスケットボールbjリーグの琉球ゴールデンキングス(西地区1位=25勝4敗)は9日、那覇市民体育館で大阪エヴェッサ(同地区8位=13勝18敗)と今季第30戦を行い、76―67で勝利した。

第1クオーター(Q)序盤は互いに激しく守り合う接戦となったが、キングスは小菅直人や岸本隆一の3点シュートでペースをつかんだ。第2Qは積極的な守備で勢いに乗ったキングスが主導権を握り、キブエ・トリムやアンソニー・マクヘンリーのインサイドで得点。44―30とキングスリードで前半を終えた。第3Qの序盤はキングスが勢いを維持したが、大阪がコート全体で激しく守ると流れが変わった。キングスの得点が伸びない一方で大阪が猛攻を仕掛け、第4Qに4点差まで詰められた。しかし勝負どころでバーンズが3点弾を沈めて逃げ切った。キングスの次戦は15、16の両日、京都府立体育館で京都ハンナリーズと2連戦を行う。

琉球ゴールデンキングス(26勝4敗)
76―67(21―14,23―16,17―21,15―16)
大阪エヴェッサ(13勝19敗)

 【評】前後半で流れが変わる激戦で、キングスが粘り勝った。前半はキングスのペースだった。第1Qから3点弾が好調で、小菅や岸本がテンポ良く決めた。第2Qはトリムやマクヘンリーらビッグマンが内角を切り崩して得点を伸ばした。
 第3Qに最大19点差をつけたが、大阪がコート全体で激しくプレッシャーを与えると流れが一転。キングスは好きなようにプレーができず追い上げられた。第4Qも大阪の激しさに押し込まれたが、バーンズやマクヘンリーが勝負どころで得点して逃げ切った。大阪は序盤で勢いに乗れなかったことが響いた。(平安太一)

◆強いメンタル出せた
 伊佐勉HC(キングス)の話 練習でやったことをできているときは点差を離せたが、できていないときに追い上げられた。思い通りのプレーができない時間を減らさないといけない。それでも最後は選手が慌てずに、キングスらしい強いメンタルで試合を運べた。

◆バーンズ 勝負決める3点弾
 じりじりと迫り来る大阪の影を、バーンズの1本が振り払った。第4Q残り2分33秒、キングスのリードはわずか4点だった。タイムアウトの直後、バーンズが24秒の制限時間ぎりぎりで3点弾を放つと、ボールはリングに吸い込まれた。「チームメートが自分を見つけてくれたから大事な場面で決められた」。勝利を呼ぶビッグショットにも浮かれることなく、仲間の支えを喜んだ。
 伊佐勉ヘッドコーチが試合前の選手に伝えたのは「勝ちに対して貪欲になること」だった。その言葉を体現するように、キングスが第1Qから躍動した。互いに補助し合う巧みな守備で大阪を抑え、小菅や岸本の外角シュートで得点を重ねた。第2Q序盤は連続で3点シュートを外したが、トリムがインサイドを崩して大阪を圧倒した。
 しかし第3Qに大阪の守備が激しさを増すと、キングスの攻撃が滞った。岸本が「攻撃が重かった」と語るように、シュートがリングに嫌われて、第4Qには4点差まで迫られた。
 突破口を開けずに苦しんだが、最後はバーンズの3点弾でリードを広げ、マクヘンリーもドライブショットを決めて勝利を確実にした。バーンズは「試合が決まる第4Qにいい動きができる選手が多くいる」と終盤の粘りに胸を張り、「みんなが勝利のために切磋琢磨(せっさたくま)している」と誇らしげに語った。(平安太一)