首里(男子)大宮(女子)V 九州中学選抜バレー県大会


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大宮―宮里 第3セット、力強いスパイクを打ち込んでポイントを奪う大宮の遠藤野乃香=11日、西原町民体育館(山城博明撮影)

 バレーボールの第31回九州中学校選抜優勝大会県大会最終日は11日、西原町民体育館で男女の決勝リーグを行い、男子の首里と女子の大宮がともに全勝で初優勝を飾った。男子の首里と準優勝の西原東、女子の大宮と準優勝の兼城は3月に長崎県で開催される九州大会に県代表として派遣される。

◆エース遠藤大車輪/大宮 鮮やかな逆転劇演出
 強烈なスパイクが相手コートに突き刺さると、大宮のエース・遠藤野乃香は両手を掲げて喜んだ。全勝優勝を懸けて臨んだ宮里戦はフルセットまでもつれ込む激戦となった。最終セットのマッチポイントで絶妙なトスが上がると、遠藤は「みんなが拾ってくれたので絶対に決めようと思った」。エースらしい強烈な一発で勝利を呼び込んだ。
 鮮やかな逆転勝ちだった。第1セットはミスが目立ち、持ち味を出せないまま相手に奪われた。比嘉彩乃監督は「雰囲気にのまれて気持ちで負けていた」と振り返る。第2セットの前に選手らに伝えたのは「自分たちのバレーをすること」。優勝を懸けた大一番でも自然体で戦うことを確認した。
 「逃げずに相手に向かおうと思った」という遠藤が果敢に打ち込むと、チームはサーブで相手を崩す本来の持ち味を取り戻した。比嘉監督は「エースが気合を入れて打つことで、チームの雰囲気が良くなった」と納得の表情で語る。最終セットは遠藤へのマークが厳しくなったが、「自分もチームを引っ張ろうと思った」という比嘉万実が攻守で仕事を果たした。
 中学新人大会に続く栄冠に、遠藤は「優勝を目標にやってきた」と笑顔を見せる。九州での目標はベスト4で、「練習からしっかり頑張りたい」と決意を新たにした。(平安太一)

◆集中力で粘りきる/首里
 男子の首里が粘り強さで栄冠をつかんだ。決勝リーグ最終戦は平良と激突。第1、第2セットともに接戦となったが、最後まで集中力が切れることはなかった。伊良部翔也主将は「取りあえず1本を取ろうと言い続けた」。主将を中心にまとまったチームが、新人大会に続く頂点に立った。
 センター・宮城テリークとセッター・島津匠吾の連係も光った。「普段から2人で合わせる練習をしている」といい、1点を争う重要な場面では力強い攻撃で流れを呼び込んだ。主将の伊良部は「2人がうまく速攻を仕掛けてくれた」とたたえる。
 伊良部は「新人大会の優勝でプレッシャーもあった」と振り返るが、「優勝できて良かった」と頬を緩める。「一戦一戦が決勝のつもりで戦う」と意気込む九州大会でも「いつも通りのプレーをする」と誓った。