県内中小企業 経営「良い」8.2ポイント増


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 県中小企業団体中央会(津波古勝三会長)は13日までに、2013年度中小企業労働事情実態調査をまとめた。13年7月時点の経営状況で、「良い」と回答した企業は前期比8・2ポイント増の21・5%となった。「悪い」は18・6ポイント減の22・4%だった。全国の「良い」は0・3ポイント増の12・7%。沖縄は一部業種で改善がいち早く進んでいる実態が表れた。

一方、「賃金を引き上げた」「7月以降引き上げる予定」の企業は0・9ポイント減の31・0%で、全国よりも11・3ポイント低かった。
 中央会は「経営状況は全国を上回った一方、賃金改定は大きな差が出た。新商品の開発など経営革新を推進して、賃金改定を可能にする経営基盤強化を進めることが求められる」と課題を指摘した。
 経営状況を業種別で見ると、「良い」が最も高かったのは情報通信業で42・9%。次いで卸・小売業の30・5%、建設業の22・0%、サービス業の17・2%―と続いた。「悪い」が最も高かったのは運輸業で50・0%だった。
 主要事業の今後の方針は、「強化拡大」が0・3ポイント増の28・4%。全国は2・2ポイント増の26・6%だった。
 中央会は「経営環境の改善は、事業の強化拡大に転じるほどまでには本格的な動きになっていない」と分析した。
 14年度の採用計画がある企業は5・9ポイント増の10・6%。全国は2・6ポイント増の18・3%。業種別で「ある」の割合が最も高いのは情報通信業で57・1%。建設業の12・2%、サービス業の9・5%、卸・小売業の8・3%―と続く。前年度は採用計画がなかった建設業が大きく伸びた。賃金改定は「未定」が0・4ポイント減の43・6%、「今年は実施しない(凍結)」は前期と同じ21・8%。業種別で「引き上げた」「上げる予定」の合計が最も高かったのは情報通信業で50・0%。続いて卸・小売業の39・0%、製造業の34・9%、建設業の28・3%。
 新規学卒者の初任給は大卒の事務系で2・9%減の15万7751円。全国平均の82・4%の水準にとどまった。技術系は0・5%増の15万6448円。
 調査は13年7月1日時点。県内の中小企業800事業所を対象に306事業所(回答率38・3%)から回答を得た。