ウニ種苗 供給停止へ 県「事業効果低く」


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ウニの種苗供給継続を県に求める県内漁業関係者ら=18日、県庁

 県は、県栽培漁業センター(本部町)で実施しているウニの種苗供給を2015年度に停止する。ウニの放流量と収穫できた量との費用対効果の低さが理由。県の停止方針を受け県漁業協同組合長会(古波蔵廣会長)と県漁業協同組合連合会(国吉真孝会長)は18日、県の山城毅農水部長に供給継続を要請した。漁業者からは経営悪化や資源の減少を懸念する声が上がった。

 センター内にある種苗の生産施設は、本部町で現在進んでいる国道449号の拡張に伴い15年度に閉鎖する。種苗を染色して放流から1年後の収穫量を調べた県の調査によると、回収率は1・8%にとどまることから、事業効果の観点からセンターの代替施設の建設は計画していない。
 センターの種苗放流は年間平均12万個に上る。11年の県全体でのウニ収穫量は26トンで、県の調査ではそのうちセンター放流のウニの収穫量は年間1トン未満の計算になる。
 一方、県産ウニは今帰仁村の古宇利島などで認知度が上がり、近年は乱獲の影響で激減。今帰仁、羽地、本部の各漁協は昨年、8年ぶりに周年禁漁を実施した。
 年間1万5千個(約45万円分)の種苗を購入しているという今帰仁漁協の平良栄康組合長は「古宇利島にはウニ専門の漁業者が10人ほどいる」と説明し、経営への悪影響を懸念する。宜野座村漁協の城間盛春組合長は「組合を通さないで売る『浜売り』も多い。統計だけをみて費用対効果は出せない」と指摘した。
 県は3月中にもセンターで説明会を開く予定。担当者は「委託を受ける漁協があれば、県も支援を検討することになる」と説明しているが、要請者からは民間委託による価格の上昇を懸念する声もあった。