基地の原状回復、日本が負担 協議中の環境調査協定


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 【東京】日米両政府が沖縄の負担軽減策の一つに位置付ける在日米軍基地の環境調査に関する新たな協定策定をめぐり、環境汚染に対する原状回復や環境措置に掛かる費用を日本政府が在日米軍駐留経費負担(思いやり予算)で負担することに合意していたことが分かった。

環境問題について独米地位協定にあたるボン補足協定や米韓地位協定では、原則的に米軍が環境浄化責任を負うと規定されているが、日本政府が協議開始前から著しく不平等な協定の締結を容認していたことが明らかになった。
 県が求めていた日米地位協定の改定をめぐっては、米側は当初、「応じられない」(ハーフ国務省副報道官)と態度を硬化させていた。日本政府は、米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設に向け仲井真弘多知事の理解を得るため、米側と合意をすることを目的に大幅に譲歩した形だ。
 日米両政府の「在日米軍施設・区域における環境の管理に係る枠組みに関する共同発表」(2013年12月25日)では、返還予定の在日米軍施設について「日本政府は、環境の回復のための責任を確認した」と明記。日本政府が(1)提供施設整備(FIP)費に追加される新たな環境関連の財政的措置をとる(2)在日米軍施設・区域における環境措置のための費用を負担する―などとされる。
 岸田文雄外相は20日の衆院予算委員会で、費用負担について否定せず、「早く良い結果が出るようにしたい」と述べ、具体的な内容には触れなかった。