コラソン6年目 けが人復帰 守備安定


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シーズン途中の11月末に移籍加入し、高い得点力で貢献した棚原良

 日本ハンドボールリーグ(JHL)の琉球コラソンは、5位で6年目のシーズンを終えた。前季と同じ8勝7敗1分けで順位も変わらず、日本一を懸けて上位4チームが進むプレーオフ(PO)にはまたしても一歩及ばなかった。過去にない高い戦力がそろいながら、けがに泣いた今季を振り返り、収穫と今後への課題を探る。(大城周子)

 16試合で計386失点は、トヨタ車体(384失点)、大同特殊鋼(385失点)に次ぐ3位。うち11試合で相手を25点以下に抑えるなど、守備に大きな不安要素はなかった。
 特に、けが人の復帰で戦力が整った終盤戦の守備には安定感があった。183センチの松信亮平と185センチの東長濱秀作を真ん中に、引いて守る0―6と、運動量を生かしてフローターの動きを止める3―2―1。二つのシステムを状況によって使い分け、堅守速攻という持ち味につなげた。
 また、これまで石田孝一が絶対的な守護神だったが、今季は2番手GKの内田武志が7メートルスロー阻止率でリーグ1位に輝くなど台頭した。

◆要所で攻撃ミス◆
 攻撃にはやや課題が残った。計389得点は9チーム中で2番目に少ない。前半で先行した9試合のうち、4試合でそのリードは1点のみ。最初から優位に立って楽に運ぶ展開は少なく、勢いに乗りかけたときのミスも目立った。強豪チームは大事な時間帯でシュートをねじ込む地力がある。コラソンにも、コート上の7人が共通意識を持って連係し、「勝負の流れを決める一本」をものにする決定力が必要だ。
 けがで主力の多くを欠いた前半戦では、普段サイドを担う名嘉真吾がフローターでいい働きを見せた。シーズン途中に加入した棚原良はチーム待望のロングシューターとして活躍した。

◆上位進出への鍵◆
 今季、万全と言える戦力がそろった試合は1、2試合あるかどうか。けがなくシーズン開幕を迎えることが第一条件だ。PO進出を決めた4チームは、シーズンを通して常に上位につけていた。対してコラソンは一度も4位に上がることはなかった。苦しい台所事情の中、最後までプレーオフ争いを繰り広げたことに一定の評価はできる。格下への取りこぼしをなくし、勝機のある試合で勝ちきるという精神面の醸成が来季、飛躍の鍵を握る。