金武町議9人、選挙費未報告 「15日以内」を1年超


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1年2カ月遅れで提出した議員7人の報告書。議員の中には出納責任者の氏名欄を空白のまま提出している

 【金武】2012年11月25日に投開票された金武町議会議員選挙の立候補者21人中9人が、公職選挙法で投票日から15日以内の提出が義務付けられている選挙運動費用収支報告書を1年2カ月たった今年2月初旬まで提出していなかったことが26日、分かった。

複数回当選しながら過去一度も提出していない議員もいた。3人は報酬を支払った事実を記載しないなど、実態と異なる記載をしていた。
 公職選挙法では未提出または虚偽の記載をした場合、出納責任者は3年以下の禁錮または50万円以下の罰金に処せられることもある。
 金武町選挙管理委員会は選挙後1カ月までは立候補者に電話で催促していたが、その後は提出を求めていなかった。町選管によると、期限内に同報告書を提出していなかった立候補者は安富朝広氏と仲間昌信氏、仲里全孝氏、松田義政氏、嘉数義光氏、大城一之氏、伊芸孝氏、大城政光氏、宇久田朝仁氏の9人。複数回当選した仲里氏と嘉数氏は過去一度も提出していなかったという。
 町選管は琉球新報社の取材を受けた後の今月4日、未提出の9人にあらためて提出を求め、7人が10日までに提出した。大城一之氏と安富氏は26日現在も提出していない。
 期限遅れで提出した議員のうち、4人が収支を「ゼロ円」として提出していた。そのうち伊芸孝氏は選挙運動用自動車の運転手に報酬を支払ったと説明しているが、記載をしていなかった。運転手は取材に対し「(報酬を)もらった」と話している。
 仲里氏は領収書がないことを理由に名刺を製作した業者への支払いを記載していなかったほか、町選管に無届けのまま立候補段階の届け出とは異なる出納責任者名を記載していた。
 期限内に提出した伊芸政男氏は領収書を添付した上で6人に報酬を支払ったと記載していたが、実際に支払ったのは2人だけだった。
 町選管は「未提出の議員には提出を強く求めるとともに、同報告書の記載内容についても急いで点検したい」と述べた。(嘉陽拓也)