富裕女性にターゲット OCVB、食卓フェア出展


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 【東京】沖縄観光コンベンションビューロー(OCVB)は沖縄観光で富裕層など、新たな顧客層の開拓へ取り組む。県産工芸品のアピールなどと連動した仕掛けも構想しており、今月上旬に9日間にわたり東京ドームで開かれた日本最大の食卓用品展示会、テーブルウェア・フェスティバル2014(同実行委員会主催)に出展。

富裕層の女性をターゲットに、沖縄の工芸品を前面に沖縄観光への誘導を試みた。OCVBは修学旅行を含めた若者や家族連れ以外の新たな顧客層の掘り起こしを狙い、祖父母―孫の3世代旅行や、女性だけの「女子旅」などを提案していく。
 同フェスは22回を数え、期間中約30万人を集める。来場者は首都圏在住で時間や経済的に比較的余裕のある50―60代が中心だ。会場は女性の2人連れが目立ち、和洋のテーブルセッティングや日本各地の焼き物の販売に人気が集まった。
 県によると、沖縄観光の客層は年収が400―600万円未満が24・6%で最も多く、次いで400万円未満の23・7%。1500万円を超える層は6・8%と少なく、開拓が課題だ。
 沖縄ブースは織物や焼き物、漆器、ガラスなど工芸品で飾った食卓を紹介し、9日間で2万1千人の来訪者があった。琉球紅茶の特別講座では、テーブルコーディネーターの大木綾子さん(豊見城市)が沖縄の植物や壺屋焼で食卓を飾り、沖縄ティーファクトリーの内田智子社長が県産紅茶を解説した。
 参加した神奈川県の女性(42)は「沖縄で紅茶が生まれた背景を知って感動した」と話し、東京都の女性(51)は「器も日常使いできるモダンな感じで印象深い」と感想を話した。
 出展を働き掛けた東京在住の県出身沖縄料理研究家・高山厚子さんは「沖縄の工芸品は多種多様だが知られていない。もっと洗練された形で見せることが必要だ」と話す。
 OCVBの金城孝東京事務所長は工芸品への関心に手応えを感じたといい、「沖縄観光の底辺拡大へ多様な層への働き掛けを工夫したい」と話した。(島洋子)

「琉球への旅」をテーマにした沖縄ブースには女性客が集まった=東京ドーム
沖縄の工芸品で食卓を飾った琉球紅茶講座には壺屋焼のティーセッティングに関心が集まった=東京ドーム