日本陸上界のホープ・木村淳 沖縄市で代表チーム合宿


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ナショナルチームの合宿で汗を流す木村淳=26日、沖縄市陸上競技場

 日本陸上界を引っ張る選手を目指し、22歳のホープが力を蓄えている。日本陸連が28日まで、沖縄市陸上競技場で行っている1600メートルリレー日本代表候補合宿に、木村淳(中部商高―中大)もメンバーの一人として参加している。春からは強豪の大阪ガスへ入社が決まっている木村。「やるからには高い目標をもってやる」と飛躍を誓う。

 日本陸連は昨年12月、400メートル、1600メートルのリレー種目を強化するために「ナショナルチーム」を新設し、木村も1600メートルリレー9人のメンバーに入った。候補選手たちは現在、5月に初開催される世界リレー選手権(バハマ・ナッソー)へ向け、合宿を重ねている。
 木村は高校3年時に200メートルで全国総体2位、日本ジュニア・ユース選手権で優勝を飾った。大学3年から400メートルへ転向。昨年のユニバーシアード大会では、1600メートルリレーで5位だった日本チームの1走を務めた。
 ばねを生かし、地面をたたきつけるような走りが特長だ。だが、世界で好成績を残している日本人選手には、膝下の振りを利用して推進力を生み出すタイプが多い。木村は「その2極を混ぜたような感覚がつかめれば、フィジカルの強い外国人選手とも勝負できる」と新境地の走りを描く。
 ナショナルチームの合宿では小坂田淳・大阪ガスコーチの指導も受け、「自分の主観的な感覚に、客観的な意見を擦り合わせることで400メートルをより突き詰められる」と言う。小坂田コーチは木村を「未完の大器。スプリント力があり、伸びしろに期待している」と評する。
 5月の静岡国際で世界リレーの代表内定を決めたいと意気込む木村だが、「個人の走力を上げた延長線上にリレーがある」とのこだわりもみせる。
 400メートルの日本記録は44秒78で、木村の自己ベストは46秒00。「2年後のリオ五輪シーズンで日本記録を更新したい」と大きな野望を口にした。(大城周子)