陸自配備報道 防衛省、本紙に抗議 新聞協会にも文書


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 防衛省は28日までに、琉球新報社が23日付で陸上自衛隊の警備部隊配備先として石垣市の2カ所が候補地に挙がっていると報じたことに関し、事実と異なるとして本社と日本新聞協会に文書で抗議した。24日付の内容証明郵便を送付し、琉球新報には訂正も求めた。

 菅義偉官房長官は28日の記者会見で抗議したことを明らかにした上で、本紙が報じた23日が石垣市長選の告示日と重なっていたことを挙げ、「選挙の公正性に影響を及ぼしかねない」と批判した。
 政府は昨年12月決定の防衛計画の大綱で南西諸島の防衛体制強化を打ち出し、大綱に基づく中期防衛力整備計画で警備部隊新設を明記。配備先は石垣や宮古、奄美が有力視されていた。
 防衛省の辰己昌良報道官は28日の会見で新聞協会に文書を送付した理由を「(他紙で)同種の報道が続き、地元でも大きな懸念が広がりかねないということもあった」と説明した。
 琉球新報社の松元剛編集局次長兼報道本部長の話 十分な取材に基づいた報道であり、訂正の求めには応じられない。南西諸島への陸自警備部隊の配備は沖縄県にとって重要課題で、読者に伝えるべきニュースとして報道した。市長選に関連付けたものでは全くない。内容も特定候補を利するものではない。省庁と報道機関の見解に相違があり、報道機関に申し入れがなされることは少なからずあると思うが、今回、弊社報道に対してのみ、新聞協会に申し入れたことには釈然としない面がある。