豊見城城址公園跡に「工芸の杜」 今月中、知事が決定


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 県工芸産業振興基盤整備調査委員会(委員長・片岡淳琉球大学名誉教授)は3日までに、県内の織物や漆器、焼き物など伝統工芸品の振興や生産・流通拠点となる施設「工芸の杜(もり)(仮称)」の建設場所を豊見城市の豊見城城址公園跡地とする案を固めた。今月中に仲井真弘多知事が決定する。

同跡地に2014年度に着工予定の空手道会館に隣接して整備する計画。17年度までの施設完成を予定する。県は空手と連動し、沖縄の伝統文化の発信と振興を図っていく狙いだ。
 同委員会は6日に予定の会合で最終確認をする。
 県によると、施設の延べ床面積は約6千平方メートル、事業費は約30億円を想定。施設が老朽化する県工芸振興センター(南風原町)の研究開発や人材育成などの機能を統合・拡充する。工芸品展示場の整備に加え、試験販売ができる環境を整えるほか、貸し工房や体験室なども備える。
 県などは「工芸の杜」を拠点に県内の各工芸産地とのネットワークを構築。新たな需要開拓を図るほか、各産地に工芸品の愛用者らを誘導し、生産額の向上につなげる考えだ。(謝花史哲)