ヘリパッド削減検討 沖縄サミット時、米が機密文書に明記


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 【ワシントン=島袋良太本紙特派員】米政府が2000年の沖縄サミットでのクリントン大統領(当時)の来県を前に、米軍北部訓練場の一部返還計画に伴う訓練場内での七つのヘリ着陸帯(ヘリパッド)の移設に関し、日本政府内で議論されていた返還後の国立公園化に協力する意向を示し、移設するヘリパッドを複数減らすことを検討していたことが分かった。

現行の米軍再編計画では削減数は一つにとどまり、七つのうち六つのヘリパッドを東村と国頭村に移設するとしており、住民の反対運動が続いている。
 移設の複数削減案は米国立公文書館が2月28日に一部公表したクリントン政権時代の機密文書に記されている。クリントン氏来県3日前の00年7月18日付で、国家安全保障会議(NSC)が、沖縄滞在中の言動の参考として元大統領に宛てたメモだ。
 メモは返還後の北部訓練場の一部について「国立公園にできないか、日本政府と協力して検討する余地がある」と明記している。その上で「さらなるステップは早期返還だ」としたが、返還の条件とするヘリパッド移設は「環境への影響から議論があり、円滑な返還の障害となる可能性がある」と指摘している。
 解決策としては「海兵隊が移設するヘリパッドを複数減らせないか、移設場所をより影響が少ない地域に変更できないかが一つの可能性だ」とした。メモはこの案について、「既に海兵隊に非公式に検討を打診したが、まだ返答を得ていない」とも述べている。日本政府にはまだこの案を伝えてはいないとも記している。