「基地ノー言わないと何でも沖縄に」 翁長市長「心一つ」訴え


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 那覇市議会(安慶田光男議長)の2月定例会は2月24、25日、9会派17人が代表質問をした。沖縄の抱える基地問題対策など平和行政や大幅な累積赤字が課題の国民健康保険(国保)の問題、沖縄振興特別推進交付金(一括交付金)の計画など多様な内容が議題となった。

 日本の防衛について認識を問われた翁長雄志市長は「沖縄だけに基地を置いて本土の方たちは何もしないのでは、日本の本気度は感じられない」と述べた。米軍普天間飛行場の移設先について、本土はどこも基地を受け入れない状況に「じゃあ沖縄が100年間受け入れようかというのは今の政治家として、責任世代として許されることではない」と強調した。
 「沖縄は日米両政府にとってちっぽけなもの。だから心を一つにして、まずノーと言わないと何でも沖縄に持ってこられる」と危機感をあらわにした。
 国保財政が赤字となる根本的な要因について砂川敦健康部長は(1)年齢構成が高い(2)医療水準が高くなっている(3)失業、低所得の影響による税収低下(4)保険料の負担割合が重い―と国保の構造の問題を指摘した。また前期高齢者交付金制度が加入割合に応じて交付を受ける仕組みのため「沖縄戦の影響で加入割合が低い沖縄県にとって不利な制度だ」と述べた。
 また国保事業の特別会計赤字補填(ほてん)の政策的繰入金として一般会計から15億円を提案しているが、それでも2013年度決算は約64億円の累積赤字となることが説明された。今後も15億円の繰り入れを続けても、医療費などの歳出の伸び率が大きいため状況は厳しく、17年度の累積赤字額は「約100億円になる」と予測した。
 一括交付金について、渡慶次克彦企画財務部長は14年度の当初予算での事業総額は交付金ベースで43億6300万円、140事業と報告した。新規事業は18事業になり、健康福祉分野の特徴的な事業として「バリアフリー改装補助事業」「生活習慣病重症化予防事業」「那覇市健康ウオーキング推進事業」を列挙した。
 市内の難病患者数について新里博一福祉部長は特定疾患(56疾患)公費負担対象患者が14年1月末で1840人いることを説明した。
 代表質問には金城徹、瀬長清、渡久地政作(以上新風会)、翁長俊英、喜舎場盛三(以上公明)、古堅茂治、湧川朝渉(以上共産)、粟國彰、亀島賢二郎、仲松寛(以上自民)、宮平のり子(社民)、山川典二(自民・無所属・改革の会)、平良識子、上原快佐(以上社大)、前泊美紀(無所属の会)、清水磨男、花城正樹(なは民主)の各氏が立った。

平和行政や国保、一括交付金など、多様な議論が出た那覇市議会の代表質問=2月25日、市議会本会議場
基地問題について自身の考えを述べる翁長雄志市長=2月25日、那覇市議会本会議場