F15風防落下 重さ113キロ超、訓練飛行中に


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
風防の落下で緊急着陸する米空軍嘉手納基地所属のF15戦闘機=4日、午前10時34分ごろ、嘉手納町の道の駅かでなから撮影

 米空軍嘉手納基地所属のF15戦闘機1機が4日午前、訓練飛行中に風防が外れ、操縦席がむき出しになった状態で同基地に緊急着陸した。嘉手納基地によると、沖縄本島の約130キロメートルの訓練空域で風防が外れ、海上に落下したとみられる。

同基地は、操縦士を含めて「負傷者はなかった」としている。県は5日、米軍や沖縄防衛局に対し、再発防止と原因が究明するまでの間、同機の飛行停止を求める。
 風防は「キャノピー」と呼ばれ、緊急時の脱出時に着脱が可能な部品で、アクリル製。同基地は、キャノピーの重量を「250~300ポンド(113・4~163キログラム)」と説明している。
 同機は午前9時54分ごろ離陸し、北部訓練空域で訓練飛行中に何らかの原因で風防が脱落したとみられる。
 目撃者によると、午前10時30分ごろ、滑走路に米軍の緊急車両などが集まり始め、同34分、F15が風防がない状態で北側滑走路に着陸した。着陸後、滑走路付近で整備士などが機体を確認していた。同機は11時15分ごろ、けん引されて整備格納庫に収納された。嘉手納基地は事故原因を調査中とし、「(現時点で)原因を推測することは不適切だ」としている。
 県基地対策課によると、米軍のF15戦闘機の風防脱落事故は、1979年に同機が配備されて以来、県内で3回あり、部品落下も12回確認されている。同機をめぐっては、昨年5月に本島東側の訓練水域に墜落するなどトラブルが相次いでいる。
 第11管区海上保安本部は同日午後3時15分ごろから約1時間にわたって航空機で落下地点とみられる海域を捜索したが、落下物は発見されなかった。同本部によると落下物による船舶への被害は確認されていない。