キングス圧勝 bjリーグ第38戦


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
キングス―滋賀 第1クオーター、相手守備をかわしながらパスを回す山内盛久=9日、沖縄市体育館(渡慶次哲三撮影)

 プロバスケットボールbjリーグの琉球ゴールデンキングス(西地区1位=32勝5敗)は9日、沖縄市体育館で滋賀レイクスターズ(同地区4位=21勝18敗)と今季第38戦を行い、78―63で勝利、連勝を6に伸ばした。

キングスの西地区4位以内が確定し、プレーオフのホーム開催権を獲得した。第1クオーター(Q)はキングスが主導権を握った。山内盛久がリングに向かう姿勢を前面に出してチームを引っ張り、リードを広げた。第2Qは互いに得点を奪い合ったが、激しく守備を仕掛ける滋賀がペースを握った。キングスは厳しい体勢でシュートを打たされ、ターンオーバーが増えて逆転を許した。それでも岸本隆一の3点弾などで加点し、38―37とリードして前半を終えた。第3Qはキングスが爆発。ドゥレイロン・バーンズを中心に攻守で滋賀を圧倒した。第3Qを終えた時点で20点の大差をつけて最後までリードを守った。キングスの次戦は13、14の両日、福岡市九電記念体育館でライジング福岡と2連戦を行う。

琉球ゴールデンキングス(33勝5敗)
78―63(22―12,16―25,30―11,10―15)
滋賀レイクスターズ(21勝19敗)

 【評】第3Qで一気に畳み掛けたキングスが勝利を手にした。第1Qはシュートが好調なキングスが勢いに乗ったが、第2Qは滋賀が速い攻撃から追い上げた。第3Qはキングスが激しい守備から攻撃につなげ、ミスが増え始めた滋賀から大量得点を奪った。滋賀は不用意なファウルから流れを悪くし、キングスの守備に押されて勢いを止められたことが響いた。(平安太一)

◆守りを修正し収穫ある試合
 伊佐勉HC(キングス)の話 ディフェンスは昨日から修正し、シュートの成功率もいい数字を出せたので、満足のいく内容だった。山内と狩俣がコートにいる時間に滋賀のターンオーバーを多く誘発させることもでき、収穫のある試合だった。

◆プレッシャーに受け身になった
 クリス・ベッチャーHC(滋賀)の話 沖縄が素晴らしいプレーを見せてくれた。第3Qに沖縄が激しいプレッシャーを仕掛けてきたため、アグレッシブに攻められなかった。チームが受け身になってしまったことが敗因になった。

◆山内起点、攻め多彩
 チームの起爆剤になり、勝利を引き寄せる大仕事をする。コートで暴れ回る山内を誰も止められなかった。
 まずは第1Q。開始から約3分でコートに送り出されると、軽い身のこなしで相手守備をかわしてドライブシュートを決めた。その後も積極的に得点を狙ってチームにいい風を吹かせ、「昨日は空回りだったので今日は強く行こうと思った」と口元を緩める。山内の勢いに後押しされるように、キブエ・トリムの内角、岸本の外角と多彩な攻撃で滋賀を圧倒した。
 第3Qは持ち味の堅守でチームに貢献。相手の動きを見極めると、スチールを決めて好機を演出した。さらにはブザービートとなる3点弾を決め、第4Qを前にリードを20点に広げた。山内は「守備では相手をかき乱すことを意識した」と振り返り、「プレーオフは激しい戦いになるので得点を決めることを意識した」と力を込めた。
 第4Qには並里成がコートに立ち、会場を埋め尽くしたファンを沸かせた。並里は「沖縄に戻ってきたんだと感じた。受け入れてくれた皆さんの期待に応えたい」と語る。試合から離れていた時間が長かったため、「ゲーム感覚はまだ60%くらい」と言う。それでも「体のコンディションは去年よりいい」と手応えを感じている。「初心に戻りながら新たな自分を見せたい」とリーグの頂点を見据えて決意を込めた。(平安太一)