マチ漁、一部解禁へ 多良間海域 漁業者が要望


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マチ類保護区の変更内容

 沖縄本島周辺から先島諸島にかけて5海域に設定されているマチ類の保護区について、4月から禁漁区域が一部解除される。沖縄海区漁業調整委員会が13日、生息量や他魚種の漁場として利用したい漁業者からの要望を踏まえ決定した。一方、同保護区については「撤廃」を求める意見もある。ただ中国サンゴ漁船が違法操業をしている海域もあるため、今後漁業者らと調整し資源管理の長期継続を図る方針だ。

 これまで有効期限は2年間だったが、保護区設定の継続で漁業者らと十分な合意形成が得られていないため、新たな期限は2015年3月31日までの1年間とした。
 解除する海域は多良間島北方に設定され、現在1~6月を禁漁としている「水納北」の一部海域。マチ類は水深100~300メートルで捕獲するが、同海域は水深100メートル以浅が多く、100メートル以深は急勾配となっている。漁業者からアジ類やハタ類を捕獲したいとの声もあり決定した。
 一方、久米島南方の「北タイキュウソネ」付近で中国のサンゴ漁船が違法操業をするなど、マチ類への影響が懸念されている。漁業者からは漁場を広げたいとの声もあるが、委員会は資源管理を長期継続したい考えだ。
 委員を務める沖縄大学の上田不二夫名誉教授は「台湾や中国漁船との問題があり、資源管理は重要だ。漁業者に厳しい場合もあるが、長く漁業を続けるためにも合意形成は必要だ」との認識を示した。
(長嶺真輝)