キングス西地区2位以上 bjリーグ第41戦


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奈良―キングス 第3クオーター、リング下に切り込んで得点するドゥレイロン・バーンズ=22日、奈良県の橿原公苑第一体育館(平安太一撮影)

 プロバスケットボールbjリーグの琉球ゴールデンキングス(西地区1位=34勝6敗)は22日、奈良県の橿原公苑第一体育館でバンビシャス奈良(同地区9位=13勝27敗)と今季第41戦を行い、86―72で勝利した。キングスの西地区2位以上が確定し、プレーオフセミファイナル(5月10、11日)の沖縄開催が決まった。

キングスは序盤から激しく守る奈良に手を焼き、思うようにリズムをつかめなかった。キングスも激しい守備で応戦して一進一退の攻防を繰り広げ、第2クオーター(Q)に入るとミスが増え始めた奈良に一時は10点差をつけた。しかしアンソニー・マクヘンリーがファウルトラブルでベンチに下がると奈良の猛追を受け、38―38と同点に追い付かれて前半を終えた。第3Qの序盤は互いに攻めあぐねたが、キングスは山内盛久や小菅直人が積極的にリングに向かってペースをつかんだ。奈良はジョー・チャップマンらの外角シュートで食らいついたものの、キングスはキブエ・トリムがリング下で粘って逃げ切った。奈良との第2戦は23日午後2時から同体育館で行われる。

琉球ゴールデンキングス(35勝6敗)
 86―72(22―20,16―18,27―18,21―16)
バンビシャス奈良(13勝28敗)

 【評】キングスが奈良の堅守に苦しみながらも勝利を手にした。前半は激しくプレッシャーを仕掛けてくる奈良に対してキングスのミスが目立った。後半に入るとキングスは山内やバーンズ、小菅を中心にリングに向かいリードを広げた。第4Qは簡単なミスから連続失点する場面もあったが、最後は逃げ切った。奈良は持ち味の堅守でキングスを追い詰めたが、勝負どころで勢いを維持できなかった。(平安太一)

◆できることを伝えた
 伊佐勉HC(キングス)の話 奈良はすごいエナジーでハッスルしてくると思っていたので、それ以上にハッスルして飲み込まれないように気を付けた。金城のけがとマクヘンリーのファウルトラブルもあったが、選手には自分ができることを目いっぱいやろうと伝えた。

◆我慢しきれず
 遠山向人HC(奈良)の話 沖縄は辛抱強かった。僕たちは我慢しきれずにフラストレーションを前面に出してしまった。前半は同点だったが、沖縄ペースで試合が進んでいた。沖縄は我慢強いチームなので、沖縄よりも我慢しなければいけなかった。

◆「団結の力」勝利呼ぶ 逆境も層の厚さで克服
 今季のテーマである「団結の力」でつかんだ勝利だった。第1Qの序盤に金城茂之が足を痛め、第2Qにはマクヘンリーのファウルがかさんでベンチに下がった。主戦の岸本隆一をけがで欠く逆境に追い打ちをかけるような状況だったが、ベンチからコートに送り出された選手が力を存分に発揮した。
 金城に代わって出場した山内は「守備でハッスルしていい流れを呼ぼうと思った」。ハードにプレッシャーを仕掛ける奈良を崩せず重苦しい展開だった試合序盤で果敢にスチールを決め、チームを勢いづけた。「ボールを持ったらしっかりアタックしようと思っていた」という第3Qにはドライブショットなどで得点を重ねた。
 ドゥレイロン・バーンズは「マクヘンリー選手と同じか、それ以上のエネルギーでチームのために貢献しようと思った」と力を込める。第3Qはスタートからコートに立ち、積極的にゴール下に切り込んでリングをこじ開けた。守備でも力を発揮し、「リバウンドをしっかり拾えたことがリードを広げるキーになった」と満足げだ。
 この日は5選手が2桁得点を奪う活躍を見せ、バーンズは「チームとして努力した結果だ」と口元を緩める。一方でゲーム終盤にミスを連発するなど課題もあった。山内は「明日はミスをなくして40分間を戦う」と決意を新たにした。(平安太一)