重量挙げ全国高校選抜 宮本(沖縄工)が大会新V


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男子69キロ級のジャークで大会新記録の150キロを成功させる宮本昌典(沖縄工)=27日、石川県の金沢市総合体育館(平安太一撮影)

 重量挙げの第29回全国高校選抜大会は27日、石川県の金沢市総合体育館で行われ、男子69キロ級で宮本昌典(沖縄工)がスナッチ122キロ、ジャーク150キロ、トータル272キロのいずれも大会新記録で優勝を飾った。女子63キロ級の福里悠(宮古)はトータル178キロ(スナッチ80キロ、ジャーク98キロ)で準優勝した。

男子69キロ級の平仲康太郎(豊見城)は233キロ(105キロ、128キロ)で3位だった。また同日、福岡県の九州国際テニスクラブで行われたテニスの第36回全国選抜高校大会の女子個人戦シングルスで、リュー理沙マリー(沖尚)が準優勝した。

◆記録狙い圧巻試技/宮本、69キロ級V
 ジャークで150キロを成功させた宮本昌典(沖縄工)は両手でガッツポーズを作った。会場には「新記録達成」の文字が掲示され、大きな拍手が湧き起こる。スナッチに加えてジャークとトータルでも大会記録を塗り替え、ゆっくりと試技台を下りた。
 圧巻の試技だった。スナッチ1本目で大会記録を上回る118キロを上げ、「狙っていた」と胸を張る。この時点で2位に10キロ以上の差をつけて1位。そして、見据えていたのは日本高校記録(125キロ)の更新だった。2本目に122キロを持ってきて、3本目で記録に挑戦する計画だった。
 しかし「1本目を挙げて安心感を持ってしまった」。思い通りのフォームを作れず2本目を落とした。高校記録への挑戦は断念したが、「ほかの選手に抜かれない大会記録を出そう」と切り替えた。3本目では122キロを挙げて、「失敗したら(118キロの)記録を抜かれると思った」と安堵(あんど)する。
 ジャークは2本目で147キロの大会新記録を樹立。3本目は自己ベストに並ぶ150キロで大会記録を伸ばした。前日に知念勇斗(豊見城)が大会記録を出したため、「同級生として負けてられない」との気持ちもあった。次の目標は高校記録とジュニア記録の更新だ。そして「東京五輪を目指している。出場するだけでなくメダルを取りに行く」と決意を込めた。(平安太一)