キングス底力 大分に75―65 bjリーグ第43戦


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キングス―大分 第1Qで激しい相手守備をかいくぐって得点を狙う並里成=29日、那覇市民体育館(渡慶次哲三撮影)

 プロバスケットボールbjリーグの琉球ゴールデンキングス(西地区1位=36勝6敗)は29日、那覇市民体育館で大分ヒートデビルズ(同地区7位=18勝24敗)と今季第43戦を行い、75―65で勝利した。

キングスは第1クオーター(Q)から、大分に内側を強引にこじ開けられリードを許したが、第2Qに7点をリードされた場面で、並里成のパスを受けたギブエ・トリムのダンクが決まり、そこから連続得点して逆転に成功。1点リードで折り返した第3Qは、ドゥレイロン・バーンズが得点を重ねて10点差で勝利した。大分の県出身の大城弘樹は、約26分の出場で7得点するなど健闘した。大分との第2戦は30日午後2時から、同体育館で行う。

琉球ゴールデンキングス(37勝6敗)
75―65(11―16,19―13,24―16,21―20)
大分ヒートデビルズ(18勝25敗)

 【評】内側に攻め入る大分に主導権を握られ、立ち上がりはつまずいた。しかし第2Q、7点ビハインドの場面で、並里のノールックパスに素早く反応したトリムが豪快にダンクを決めてからは、並里とトリムのホットラインが機能し逆転に成功。1点リードで迎えた後半は、バーンズが3点弾やファウルを誘ってさらに差を広げた。大分は果敢に内側を攻めたが、後半から守備が乱れた。(仲本文子)

◆守備に関しては80%
 伊佐勉HC(キングス)の話 守備に関しては80%はできた。でも、100%にならないと大事な試合には勝てない。特に前半は攻撃が思うようにできなかった。相手の守備にはまってしまった。プレーオフにどこが来ても戦えるように努力したい。

◆後半から集中切れた
 鈴木裕紀HC(大分)の話 我慢の展開になると思ってはいたが、後半から集中が切れてしまった。沖縄の守備が素晴らしく、いつもならシュートを打てる場面で打たせてもらえなかった。修正可能なミスも多かったので、次戦で修正したい。

◆あすは切り替えたい
 大城弘樹(大分)の話 出だしから飛ばしていこうとは思っていたが、押し切れない部分があった。あすは切り替えたい。沖縄での試合は昨年以来だが、大分から来てくれたたくさんのファンの応援は力になった。

◆俊敏並里 好機を演出
 前の試合で4年連続西地区1位を決めて臨む大分戦だったが、出だしから相手に内側をこじ開けられ、苦しい立ち上がりとなった。
 それでも、西地区王者の実力は揺るがない。リードされた第2Qから、並里が持ち前の機動力で相手守備をかき乱してゴール下へ攻め込み、好機を演出すると、トリムも並里の俊敏な動きに反応し、得点を量産した。
 後半からは、バーンズが地力を見せた。激しいプレッシャーを掛けてくる相手に対して、負けじと内側に切り込んで得点を重ねる。第4Qでは2度の3点弾を決めるなどの活躍で、チーム最多の26得点を挙げた。
 一方で、チームの主軸となり技術力の高さで何度も会場を沸かせた並里だったが、2点弾成功率が約23%と、シュートには精度を欠いた。「まだ試合勘が完全ではない」と自身も話す通り、第3Qでは好機を生かせず、ボールを強くたたき悔しさをあらわにする場面もあった。
 主力の岸本隆一がけがで戦線離脱。マクヘンリーもこの試合で途中退場するなど、けが人が相次いでいる状況だ。並里も「コンディションをもう少し修正したい」と話す。
 まずは30日、大分との第2戦で連勝し、プレーオフに向けて弾みをつけたいところだ。(仲本文子)