前田、久保埜 エリートV 美ら島Cトライアスロン


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 2014美ら島チャレンジトライアスロンin豊崎(主催・同実行委員会、共催・琉球新報社)が6日、豊見城市豊崎海浜公園を発着点に開かれた。7回目の今回はエリート部門が新設され、NTTジャパンカップ第1戦として開催。

男子は19歳の前田凌輔(チームトライアングル)が58分10秒、女子は16歳の久保埜(くぼの)南(チームケンズ山梨)が1時間5分53秒で制した。県勢は男子の池隆礼(県トライアスロン連合)が6位入賞した。大会はジュニアの育成も目的に開催しており、中学男子は小林慶次(宮城)が39分11秒、同女子は中山菜々美(大阪)が41分7秒で優勝した。

◆新時代到来を宣言/前田
 19歳の前田凌輔が、前評判で圧勝が予想された34歳のベテラン山本良介(キタジマアクアティクス)を抑えて初優勝した。前田は気後れしない度胸の良さと好機を見逃さない感覚の鋭さが光り、日本トライアスロン界の世代交代の動きを感じさせた。
 レース終盤のランは、前田と山本、石塚祥吾(日本食研)の3人がデッドヒートを繰り広げた。スイムキャップの収納ミスで10秒間のペナルティーが取られた山本が離れ、息が上がる石塚を横目に前田が一気にスパートを掛け、勝負を決めた。
 エリートに参戦して3戦目と、実績は少ないが、コンディションも上々で、実力を発揮する舞台は整っていた。2008年の北京オリンピック代表で、昨シーズンのジャパンカップランキング2位の山本はレース前に「負ける要素が見当たらない」と自信を見せたが、レース後は前田に「よくやったな」と祝福。ベテランの発言に刺激を受けた前田は「競技のためにも世代交代はしないといけないと言われている」と新時代到来を宣言した。(関戸塩)

◆16歳「まさか」の快挙/久保埜
 「エリートの選手に少しでもついていきたい」と臨んだ山梨学院大付属高2年の久保埜南が、2戦目で「まさか」の初優勝を決めた。
 スイムは出遅れて後方からのスタートだった。15歳の瀬賀楓佳が2位に30秒以上の差をつけてスイムを終え、優勝候補の加藤友里恵がバイクで転倒するなどレースは荒れた展開に。5人ほどの集団で始まったランにしっかりと食い込んだ。「自分らしく、粘り強く最後まで走れた」と、ラン最後の1周半は独走状態に持ち込むことができた。優勝を弾みに国際大会での活躍に期待が膨らむ。

バイクで山本良介(右)と競り合う前田凌輔=6日、豊見城市豊崎(普久原裕南撮影)
スイムからバイクに向かう久保埜南=豊見城市の豊崎海浜公園