【嘉手納】3月に名桜大学を卒業した宮崎県出身の水戸由紀子さん(22)が、30日に嘉手納町で開かれたキックボクシング大会で初めてリングに上がり、プロ選手の真奈に挑戦した。名護市のムエタイ教室に通い始めてわずか1年。惜しくも判定で敗れたが、水戸さんは「沖縄の思い出に残る試合だった。また出てリベンジを果たしたい」と汗を拭った。
陸上部を引退した昨年春に「ストレス発散」を目的に名護市内のムエタイ教室に通い始めた。昨年6月にアマチュア大会の試合を観戦し、試合出場に憧れるようになった。
デビュー戦の舞台は、琉球かきだみし協会主催のK―SPIRIT8。水戸さんの努力を見た指導者の近藤一輝さんが協会に提案し、対戦が決まった。当初は戸惑ったが、持ち前の好奇心の強さが勝り、猛練習を重ねた。
試合は大技のバックアンドブローが2発命中するも、採点19―20、20―20、19―20で惜しくも敗れた。水戸さんは「試合中は無我夢中だった。やはり勝ちたかった」と悔し涙を見せた。
近藤さんは「負けず嫌いの性格が後押しした。1年で本当に上達した」と大きくうなずく。
水戸さんは精神保健福祉士の資格取得のため試合翌日の31日に宮崎県に旅立った。「支えてくれた関係者に感謝したい。また沖縄に戻って仲間とムエタイがしたい」と目を輝かせた。