牧港倉庫群など読谷黙認地 立ち退き補償困難に


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トリイ通信施設への移設概要

 沖縄防衛局の武田博史局長は10日、読谷村役場に石嶺伝実村長を訪ね、嘉手納より南の米軍基地の返還・統合計画に関し、牧港補給地区とキャンプ瑞慶覧の一部施設を同村のトリイ通信施設に移す基本計画(マスタープラン)について説明した。

新設するメーンゲートを含めて整備規模は約20ヘクタールで、主に同通信施設南側の黙認耕作地が対象となるが、防衛局は「(立ち退きによる)補償や代替地確保は難しい」と伝達。村側は「負担がさらに増す」として計画を受け入れない考えを示した。
 統合計画に伴う施設移転で防衛局が自治体に正式に説明したのは初めて。
 村によると、トリイ通信施設に移転されるのは(1)キャンプ瑞慶覧の整備施設(2)牧港地区の倉庫施設(3)牧港地区の可燃物保管倉庫の3施設。さらに通信施設正門と延長道路が新設される。整備面積は施設全体(193ヘクタール)の約1割で、文化財調査などを経て2019年以降に着工される。
 施設が移転されると村の楚辺、大木区の耕作者約60人が黙認耕作地から立ち退きを要求される見通しだ。
 村側は耕作期間の延長を要望した。会談後、石嶺村長は「基地機能を強化しないよう求めてきた。地元の要望を最大限取り入れてもらいたい」と話した。一方、武田局長は「丁寧に調整したいが、代替地や補償は難しい」と述べた。