サッカー名門の指導法吸収へ 平安山さん、夢へ本場で修業


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「沖縄のサッカーを世界一にしたい」と話す平安山良太さん=10日、名護市の21世紀の森公園

 ブラジルに渡り、サッカーの指導者として修業を積んでいる平安山良太さん(23)=名護市出身=が5月から、世界的強豪・コリンチャンスでアシスタントコーチを務める。「沖縄のサッカーを世界一にしたい」と夢を描く平安山さんはビッグクラブの“強さ”を吸収し、いずれ沖縄に持ち帰るつもりだ。

 コリンチャンスはサンパウロを拠点にする名門チーム。2000、12年にはクラブワールドカップを制し、世界一に輝いた。平安山さんはビザの更新のため一時的に沖縄に戻り、準備を進めている。
 県内外で数々の指導経験を持つ平安山さんは昨年10月、ブラジルに渡り、プロ1部のアトレチコ・パラナンセで3カ月間、U―13、14の練習を手伝った。当初は言葉が通じず、選手たちも「日本人からサッカーを教わることに抵抗があったようだった」という。しかし寮生活を送るうちにポルトガル語が上達。日本独自の練習も取り入れ、信頼を勝ち取った。
 12月で契約は切れたが、さらなるブラジル修業を望んだ。関係者からコリンチャンスを紹介され、アシスタントコーチとして契約した。給料は「お小遣い程度」でも、世界一になったこともある強豪で、指導に携われることは大きな経験になると考えている。
 若くてもコーチに遠慮なく意見を言える精神力、ゴールへの高い意識。コリンチャンスではこうしたブラジルの“強さの秘密”にさらに肉薄し、自らのものにしたいと考えている。
 平安山さんの野望はブラジルだけにとどまらない。「いずれ欧州でもサッカーを学び、そこで得たものを沖縄に還元したい」。「沖縄から世界一」という夢のため、平安山さんはサッカーの“旅”を続ける。(荒井良平)