キングス追撃かわす bjリーグ第47戦


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キングス―浜松 第3クオーター、悪い流れを断ち切る3点シュートを決める小菅直人=12日、沖縄市体育館(普久原裕南撮影)

 プロバスケットボールbjリーグの琉球ゴールデンキングス(西地区1位=38勝8敗)は12日、沖縄市体育館で浜松・東三河フェニックス(同地区3位=26勝20敗)と今季第47戦を行い、87―77で勝利した。

第1クオーター(Q)の序盤はロングシュートが決まらず得点が伸びなかったが、徐々に勢いに乗った。ドゥレイロン・バーンズが内外から得点を重ねると、守備では足を使った激しいプレッシャーで浜松のミスを誘発した。第2Qもバーンズを中心に得点を重ね、49―29と大きくリードして前半を終えた。第3Qは序盤からターンオーバーが続いてペースを乱し、浜松の守備を崩しきれずに5分以上も得点できなかった。しかし小菅のアウトサイドシュートで勢いを取り戻すと、並里成がうまくゲームを組み立てて浜松の追撃を絶った。浜松との第2戦は13日午後6時から同体育館で行われる。

琉球ゴールデンキングス(39勝8敗)
87―77(25―14,24―15,19―21,19―27)
浜松・東三河フェニックス(26勝21敗)

 【評】キングスは試合序盤で主導権を握り、最後までリードを守りきった。第1Qから豊富な運動量で浜松を圧倒し、第2Qまで勢いを維持し続けた。第3Qは浜松が好守備でキングスの攻撃を抑えて点差を縮めた。キングスはタイムアウトで浜松の流れを断ち切ると、小菅やバーンズの活躍で再び点差を広げた。浜松は序盤でミスが重なり、後半もゲームを作れなかったことが響いた。(平安太一)

◆チームの戦いできた
 伊佐勉HC(キングス)の話 マクヘンリーが試合に出られない状況だったが、チームとして戦うことができていた。前半は、やりたいことができていた。しかし後半はできていない場面が多かった。40分間やるべきことをやり続けないといけない。

◆前半20点差では勝てない
 東野智弥HC(浜松)の話 前半で20点の差をつけられたら、いいチームに勝つことができない。明日につなげないといけない試合だった。

◆小菅 流れ変える3点弾
 悪い流れを断ち切るには十分すぎる威力があった。第3Q残り約4分。浜松の追い上げを受ける苦しい時間に小菅直人が3点シュートを連続で決めた。「ボールをもらったら積極的に打つことだけを考えていた」。レギュラーシーズン最多動員となった3730人の観客は沸き上がり、チームは勢いを取り戻した。
 前半を終えた時点で20点の大量リードを奪った。圧勝ムードが漂う中で迎えた第3Qに落とし穴があった。「どこか心に余裕を持ってしまった」と小菅は言う。開始直後からターンオーバーを連発し、シュートはリングに嫌われた。開始から5分以上も無得点に抑えられ、インサイドを切り崩して得点を重ねる浜松に7点差まで詰め寄られた。
 キングスはタイムアウトを請求し、選手らをベンチに呼び戻した。そこで確認したのは「積極的にリングに向かうこと」。小菅も「積極性が足りなかった」と自らのプレーを見つめ直し、3点弾で流れを変えた。さらにはバーンズも内外から得点を重ね、キングスのペースに持ち込んだ。
 小菅は「プレーオフなら確実に逆転されていた」と第3Qの展開を深く反省する。浜松とはプレーオフでも対戦する可能性があるだけに「今後の試合では徹底的にやらなければいけない」と勝利に向けた強い気持ちをあらわにした。(平安太一)