FC琉球、粘ってドロー サッカーJ3第6節


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FC琉球―SC相模原 後半、攻め上がってシュートを放つ琉球のDF浦島貴大=13日、沖縄市陸上競技場(諸見里真利撮影)

 サッカーJ3のFC琉球は13日、沖縄市陸上競技場でSC相模原と第6節を行い、0―0で引き分けた。琉球は2勝2分け1敗で勝ち点8。順位は7位で変わらない。前半は相模原が元日本代表FW高原直泰を起点に攻め、主導権を握った。

琉球はDF浦島貴大、河端和哉を中心に粘りの守備でしのいだ。後半はポゼッション(ボール保持率)を高めた琉球が多彩な攻めでゴールに迫ったが、得点には至らなかった。次戦は16日午後7時から、石川県西部緑地公園陸上競技場でツエーゲン金沢と戦う。

琉球(2勝2分け1敗)(8)
0―0(0―0,0―0)
相模原(2勝1分け3敗)(7)

 【評】琉球は何度か決定的な場面をつくられたが、DFラインが集中して守り切り、ゴールを割らせなかった。前半はシンプルなパス回しに徹する相模原のペース。対する琉球はサイドを使って攻め上がろうとするが、パスミスが目立った。後半は、琉球がDF浦島のオーバーラップや途中出場のFW真栄城兼哉の鋭い突破で好機をつくったが、決めきれなかった。(荒井良平)

◆勝ちたい試合だった
 薩川了洋監督(FC琉球)の話 勝ちたい試合だった。最低限勝ち点1を取れたことは選手を評価したい。決めていれば(勝てた)というシーンが多かった。相模原と五分で戦えたことは収穫。プレーの質を高め、自信を持って(次戦の)金沢へ乗り込みたい。

◆体張り“高原封じ”/浦島、河端 仕事させず
 相手は世界を知る経験豊富な元日本代表。それでもFC琉球のセンターバック浦島貴大、河端和哉は気後れすることなく体を張り、最後まで集中力を切らさなかった。要2人が粘りの守備で、高原直泰(SC相模原)が持つ点取り屋の“怖さ”を封じた。
 相模原は前半から徹底的に高原にボールを集め、そこを起点にパスをつないでいく。「(高原は)さすがにボールの置き方がうまい」と河端。ボールを奪われないために、どうすればいいかを熟知している老練なFWに対し、浦島と河端は無理に飛び込まず、体を寄せて前を向かせないことを徹底した。
 その結果、高原がポスト役として機能することは許したものの、ゴール前で決定的な仕事をさせなかった。パスを回され、シュートを放たれる場面もあったが、GK笠原淳が好セーブを見せるなど、全員守備で守り切った。
 今季5試合で3失点。昨季の1試合平均失点1・5に比べて守備は安定している。薩川了洋監督も「全体で守って全員で攻めるチームになりつつある」と手応えを感じている。
 次はツエーゲン金沢、町田ゼルビアとの連戦を控える。格上相手にどれだけ通用するか、真価が問われる。主将の河端は「うちは強いチームじゃないので先を考えてる余裕はない。一戦一戦、全力で戦うだけだ」と力強く語った。(荒井良平)