キングス、ホーム有終 bjリーグ第48戦


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キングス―浜松 第4クオーター、相手リング下に攻め込む金城茂之=13日、沖縄市体育館(諸見里真利撮影)

 プロバスケットボールbjリーグの琉球ゴールデンキングス(西地区1位=39勝8敗)は13日、沖縄市体育館で浜松・東三河フェニックス(同地区3位=26勝21敗)と今季第48戦を行い、80―68で勝利、レギュラーシーズンの地元最終戦を3連勝で飾った。

観客数は3752人でレギュラーシーズン最多となった。立ち上がりはキングスのシュートが決まらず、高さを生かしてインサイドを攻める浜松がリードを奪った。キングスはけがから復帰したアンソニー・マクヘンリーを投入して勢いをつけると、金城茂之や山内盛久が得点を重ねて試合を引っ繰り返した。第2クオーター(Q)は浜松のミスにつけ込んでキングスがリードを広げたが、要所で不要なファウルやターンオーバーが飛び出してペースをつかみ損ねた。40―35で迎えた後半は両チームともにミスやファウルで波に乗れず、我慢の時間が続いた。しかしキングスが浜松のミスを見逃さず猛攻を仕掛けると、第4Qには岸本隆一の3点弾などで引き離した。キングスの次戦は19、20の両日、香川県の高松市総合体育館で高松ファイブアローズと2連戦を行う。

琉球ゴールデンキングス(40勝8敗)
80―68(18―16,22―19,15―10,25―23)
浜松・東三河フェニックス(26勝22敗)

 【評】キングスが我慢の時間を乗り越えて終盤に突き放した。第1Qはシュートが入らないキングスに対し、浜松はインサイドを攻めて優位に立った。キングスは金城と山内が攻守で粘って食らいつき、第1Q終盤で逆転した。第2Q、第3Qは互いに爆発するきっかけをつかめずに競り合った。第4Qはキングスがニュートンのインサイド、岸本のアウトサイドと効果的に攻撃して突き放した。浜松は勝負どころで勢いを維持できなかった。(平安太一)

◆最後のホーム、いい試合
 伊佐勉HC(キングス)の話 レギュラーシーズン最後のホーム戦でいい試合ができた。立ち上がりはスロースタートの悪い部分が出たが、シュートをしっかりと打てていた。各クオーターで相手の得点を上回るという目標も達成できた。やろうとしたことの8割はできていたので9割以上を目指したい。

◆勝てる何かあるはず
 東野智弥HC(浜松)の話 沖縄は強いチームでなかなか勝てない。(浜松の)ホームであと2試合の対戦が残っているので、そこで勝ってプレーオフでも戦うことがあれば勝ちたい。沖縄はチームに厚みがあって、われわれはその精度に達していない。それでも勝てる何かはあるはずだ。

◆金城躍動 チーム勢い
 金城茂之の1本はチームの空気を変えた。課題となっている立ち上がりの悪さが出た第1Qは完全に浜松のペースだった。浜松を追い掛ける時間が続く一方で、キングスのロングシュートはリングにはじかれ続けた。重苦しい雰囲気がコートに立ち込める中、金城が3点弾を決めた。「一生懸命プレーしている姿でチームをよくしたいと思っている」。金城の思いに呼応するように、チームの勢いが増した。
 山内盛久は足を使った積極的な守備で浜松のミスを誘い、スチールから速攻を決めて得点。逆転の3点弾も沈めて超満員の会場を沸かせた。「アグレッシブな守備と先頭を走る攻撃ができた」と山内は口元を緩める。足を負傷していたエースのマクヘンリーも復帰し、スチールやアシストで仲間をもり立てた。
 ゲーム終盤にチームの起爆剤となったのも金城だった。浜松がじりじりと迫る第4Qの序盤にニュートンの得点を演出。一気に畳み掛けたい場面ではスチールを決めてドゥレイロン・バーンズの3点弾につなげた。
 「きょうは守備で崩れなかったことが良かった」と金城は振り返る。そして「チームにはまだまだ伸びしろがある」とさらなる強化を目指す。決戦の舞台となるプレーオフを見据え、「きょう以上に強いキングスを見せる」と表情を引き締めた。(平安太一)