【東京】防衛省は18日、与那国島への陸上自衛隊沿岸監視部隊の配備に向けて19日に同地で開く施設造成工事の起工式に小野寺五典防衛相が参加すると発表した。小野寺氏は18日の記者会見で配備について、「自国領土の(国境に近い)離島に監視部隊を置くのは普通に行われることだ」と強調した。
小野寺氏は19日に航空自衛隊宮古分屯基地を視察後、与那国町に移動し、式典に参加する。20日には那覇市の海上自衛隊、空自那覇基地を視察し、E2C早期警戒機を運用する「第603飛行隊」の新編行事にも参加する。
小野寺氏は起工式に関して「地元の合意、準備が成り立った中で、速やかに起工に移りたいというスケジュールだ」と説明した。
防衛省によると、沿岸監視部隊の配備予定は150人で、付近を航行する艦船や航空機を監視する。与那国町の久部良地区に25ヘクタールの駐屯地、監視所を設置するほか、祖納地区にも1ヘクタールの監視所を建設する。
建設費は約158億円を見込む。那覇基地に配備している空自の第4移動警戒隊も必要に応じて展開するとしている。久部良地区にには体育館やグラウンドなどの施設整備も予定している。
与那国への部隊配備の利点として同省は「領海、領空の境界に近い」ことを挙げ、電力、通信など社会的基盤が整っていることなどを踏まえ「(国境近くの)最先端に位置する与那国島に配置することが適切と判断した」と説明している。