陸自配備へ与那国で起工式 反対根強く


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与那国町への陸上自衛隊沿岸監視部隊配備予定地

 【与那国】防衛省は19日、与那国島への陸上自衛隊沿岸監視部隊の配備に向けた施設造成工事の起工式を、与那国町離島振興総合センターで開いた。出席した小野寺五典防衛相は南西諸島地域の防衛体制強化に向け、配備の重要性を強調し、同町の受け入れに感謝した。島内には配備に反対する声も根強く、反対派住民は反発を強めている。

 本土復帰に伴う自衛隊の配備以降、県内への新たな駐屯地建設は初めて。起工式には誘致推進派の住民ら約30人のほか、県内関係者が招待された。一方、会場周辺では反対する住民らが「着工反対」と抗議した。
 防衛省によると、部隊は150人規模で、2015年度末までに配備する計画。尖閣諸島を含む東シナ海を航行する艦船や航空機を監視する。与那国町の久部良地区の25ヘクタールの敷地に駐屯地、監視所を設置するほか、祖納地区の1ヘクタールの敷地に監視所を建設する。
 起工式で小野寺氏は「政府は南西地域の防衛体制の強化に力を入れている」とした上で「日本最西端の与那国島への沿岸監視部隊の配置は南西地域における従来配置の空白を埋めるものだ」と重要性を強調した。
 与那国町の外間守吉町長は、基地周辺対策事業活用による生活インフラ整備に期待し「町民の暮らしの向上につなげることが重要だ」と話した。
 会場周辺に詰め掛けた反対派住民が道路を封鎖し、防衛省関係者と一時もみ合いになるなど騒然となった。小野寺氏は予定より約25分遅れて会場に入った。