「中国の活動活発化」 防衛相、空自那覇に警戒機


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E2C早期警戒機部隊の意義を強調する小野寺五典防衛相(左端)=20日午前、航空自衛隊那覇基地

 小野寺五典防衛相は20日、航空自衛隊那覇基地でE2C早期警戒機を運用する新たな部隊の発足式に出席し、中国軍機が3月に沖縄本島と宮古島の間の公海上空を通過したことを挙げ「中国の活動は一層拡大、活発化している。南西地域の警戒監視のため、固定式レーダーを補完する新たな部隊の役割は極めて重要だ」と訓示した。

部隊配備に際し、中国を名指しして意義を強調するのは異例。
 防衛省は南西諸島防衛などに関する公式の説明では「特定の国に向けたものではない」としている。小野寺氏は発足式後、記者団に「特定の国を想定しての部隊配備ではないが、中国軍機の近接によるわが国からのスクランブル(緊急発進)が多いのは事実だ」と述べ、中国を念頭に置いていることを事実上認めた。
 空自はE2C13機を青森県・三沢基地に配備しているが、尖閣諸島周辺での中国の領海侵入が相次ぎ、那覇への展開が常態化していた。那覇基地にはE2Cを4機ほど配備する予定で、その運用のため「第603飛行隊」を新設した。
 防衛省は19日に与那国町で陸上自衛隊沿岸監視部隊の配備に向けた施設起工式を開催。石垣島などへの警備部隊配備や、那覇基地のF15戦闘機部隊を1個飛行隊(約20機)から2個飛行隊に拡充する計画なども進めている。