復興へ再起の完走 梶原さん福島から参加 宮古島トライアスロン


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
震災を乗り越え、宮古島大会に初出場した梶原真哉さん=20日午後8時50分ごろ、宮古島市陸上競技場

 東日本大震災で自宅を津波に流された梶原真哉さん(48)=福島県いわき市=は憧れの宮古島大会に初出場し、完走を果たした。震災後の見通しが立たない生活への不安を乗り越え、出場した。

フィニッシュゲートをくぐった梶原さんは「やっぱりトライアスロンは楽しい。宮古島は最高だ」と満足げに話した。
 東京電力の子会社に勤務し、震災が発生した2011年3月11日は東電福島第1原子力発電所にいた。自身や家族が直接津波に遭うことはなかったが、海岸から約300メートル離れた位置にあった福島県楢葉(ならは)町の自宅は全壊し、トライアスロンの道具も全て流された。
 震災当初は避難生活や将来への不安で「心身共にぼろぼろになり、半ばうつの状態に近かった」。震災から1年後、22歳からとりこになっていたトライアスロンを再開。打ち込むことで、不安な気持ちが次第に解消されていったという。
 梶原さんは「被災地の復興は進んでいないが、それなりに落ち着いてきている。これからもトライアスロンを楽しみたい」と競技を続けながら、被災地で生きていく。