沖尚、圧倒4強 春季九州高校野球


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準々決勝・沖尚―日南学園 1安打完封と圧巻の投球を見せた沖尚のエース山城大智=22日、県営八代野球場(大城周子撮影)

 高校野球の春季九州大会(第134回九州大会)は22日、熊本県の藤崎台県営野球場などで準々決勝4試合が行われ、24日の準決勝の顔合わせは島原農(長崎)―沖縄尚学、東福岡―創成館(長崎)となった。

昨秋大会を制し、選抜大会でも8強入りした沖縄尚学はエースの山城が1安打完封、打線も16安打を放って日南学園(宮崎)に6―0で完勝した。初出場の島原農は同点の九回に主将の三浦が適時二塁打を放ち、鹿屋中央(鹿児島)に4―3でサヨナラ勝ち。東福岡は大分を5―2で、創成館は文徳(熊本)を5―3でそれぞれ破った。

◆山城“巧投”1安打完封
 「甲子園投手」の看板にふさわしい堂々の投球だった。許した走者は四死球と味方の失策、三塁打の4人だけ。要した球数は92球という少なさ。沖尚のエース山城大智が、日南学園の強力打線を1安打完封でねじ伏せた。
 一回、先頭から外野フライ、内野ゴロと打ち取り、3番打者は3球三振。山城は「あそこで三振を取れたのが大きい。勢いに乗っていけた」と振り返る。課題だった立ち上がり。「考えすぎると縮こまってしまう。後のことを考えず持っているものを全て出していこうと思った」と、思い切りの良さが奏功した。
 腕を振ってテンポ良く投げ込み、相手打線に圧力をかけた。データ上、苦手とする左打者も、膝元への速球や切れのあるスライダーで崩した。四回、高めに抜けた球を右中間へ痛打されたが、「長打だったので逆にすっきりした。すぐに切り替えられた」と動じることはなかった。
 選抜大会の準々決勝で打ち込まれ、悔しい思いをした。「思い付いた球を投げていただけ」という反省から、幅を広げようと、打者に応じた配球を心掛ける。独特のフォームもあって甲子園で注目を集めた山城に、周囲は期待の目を向ける。それでも「魅せるピッチングをしようと思うのは自分らしくない。どこが相手でも、攻めの姿勢を貫くことが自分のスタイル」と気負いはない。(大城周子)