沖尚、圧巻コールド 春季九州高校野球


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
準決勝・島原農―沖尚 6回沖尚2死一、二塁、2点適時二塁打を放つ西平大樹=24日、藤崎台県営野球場(大城周子撮影)

 高校野球の春季九州大会(第134回九州大会)は24日、熊本県の藤崎台県営野球場で準決勝2試合を行い、2季連続優勝を狙う沖縄尚学と創成館(長崎)が決勝に進んだ。

創成館は初の決勝進出。決勝は25日に同球場で行われる。沖縄尚学は15安打の猛攻で島原農(長崎)に11―1で七回コールドゲーム勝ちした。創成館は10―6で東福岡との打撃戦を制した。

◆力増す打線 また2桁/西平、3二塁打4打点
 沖尚打線がまたも破壊力を発揮し、初出場の島原農をのみ込んだ。積み重ねた安打は3試合で45安打。比嘉公也監督は「いろんな投手に対応できつつある」と言う。確かに、今大会テーマに掲げる「対応力」が随所に光る試合だった。
 今大会初の先攻。一回に5長短打で4点を奪った。順調なスタートを切ったかに見えたが、この回にアクシデントが起きていた。2番の久保柊人がバントを試みた際、右手に球が当たって負傷。その裏に先発登板したが、打者1人に投げただけでベンチに下がった。
 中盤は相手の変化球をひっかけて凡退を繰り返した。「もう一度リセットしよう」と臨んだ六回。初回も猛攻の口火を切った1番中村将己が2死二塁から右前へ適時打を放ち、これを含む5連打で畳み掛けた。2点適時二塁打を放った3番の西平大樹は狙い球とは違っていたと明かし、「泳がされず自分のポイントで打てた」と胸を張った。
 「今までで一番嫌な展開だった」と指揮官が語るように、スコアほど楽な試合ではなかった。序盤にはらしくないバントミスもあった。それでも勝った。3本の二塁打で4打点を挙げた西平は「アクシデントはあるもの。そこで慌てず自分たちの野球ができないと勝てない」と冷静だ。県勢としては1998年春の沖縄水産以来の2季連続優勝へ。“横綱”が力強く王手をかけた。(大城周子)

<きのうの結果>
▽準決勝
沖尚 11―1 島原農(長崎)
   (七回コールド)
創成館(長崎) 10―6 東福岡

<きょうの試合>
【藤崎台】10時
▽決勝
沖尚―創成館(長崎)