神森(女子)浦西(男子)V 県中学春季ハンド


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 ハンドボールの第42回県中学校春季選手権大会は最終日の26日、県総合運動公園体育館で決勝まで行い、男子は浦西が美東を破り、5年ぶり7回目の優勝を飾った。女子は神森が港川に逆転勝ちし、3年ぶり8回目の頂点に立った。

◆鉄壁守備、後半光る 神森
 後半、神森の動きが厳しさを増した。港川にボールが渡ると、すぐに複数の選手が詰め寄り、自由を奪う。ゴールキーパー下地真央の好セーブもあり、港川に決定的な仕事をさせない。
 「ラスト25分だから自分のプレーをしよう」。後半開始前、神森・儀間千華子コーチが選手に呼び掛けた。この一言がチームを目覚めさせた。安村菜々乃主将はこの1週間、打倒港川を誓って取り組んだ守備中心の練習を思い出した。
 パスミスからリズムに乗れなかった前半と違い、徹底した守備で港川をわずか2点に押さえ込んだ。残り3分、港川も追いすがり15―15の同点に。この日特に動きが良かった東江華奈のシュートが港川ディフェンスの間を抜け、ゴール左上隅に突き刺さる決勝ゴールとなった。
 前半は港川のポイントゲッター・金城ありさ、真座あすか、左の2枚看板に得点を重ねられ、相手ペースにはまっただけに後半の鉄壁ともいえる守備が光った。
 2強は1月の新人大会でも激突。優勝した港川は全国大会で3位に、準優勝の神森は九州大会を制した。
 高いレベルの試合を経験したことで安村主将は「気を引き締めて、また練習に臨む」と語る。神森が夏の大会に向けて成長した姿を示した。(関戸塩)

◆薄氷勝利「諦めず」 浦西
 男子浦西は前半に最大12点差まで大量リードしたものの、後半は美東の猛追に遭って1点差、薄氷の勝利だった。
 前半、浦西は圧倒的な強さを見せる。速い攻撃が美東にゆとりを与えず、176センチの主将・井口元太が滞空時間の長いシュートを決めると、146センチと小柄な比嘉麻人が力強い速球で点を重ねた。ところが後半はパスを回して時間をかける攻撃が裏目に出て、速攻を狙う美東に反撃の糸口を与えた。
 3月の全国大会は開催地・富山のチームに初戦敗退し、精神面での強化が課題となっていた。あらためて課題を見つけた浦西は、目標とする夏の全国制覇に向けて気を引き締め直す。
 攻められながらも要所で点を入れた井口は「最後まで諦めない気持ちが優勝につながった」と振り返った。

神森―港川 後半シュートを決める神森の東江華奈=26日、県総合運動公園体育館(山城博明撮影)
男子決勝 浦西―美東 後半シュートを決める浦西の井口元太=26日、県総合運動公園体育館