各離島に県が海底光ケーブル敷設へ 通信環境を向上


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離島地区情報通信基盤整備推進事業

 県は離島のインターネットなどの通信環境を改善するため、本年度から2016年度にかけて海底光ケーブル約915キロを敷設する。16年8月にはケーブルが開通し、送受信できる予定で、宮古、八重山や沖縄本島南部の周辺離島で大容量、低価格の高度通信ができるようにする。

コールセンターなど情報通信企業の誘致にも活用し、雇用創出効果も狙う。各離島へのケーブルを二重につなぐ「ループ化」を行い、地震や台風など災害時の対応も強化する。
 民間事業者によるケーブル敷設は地理的条件や採算面で難しいことから、離島では情報通信基盤の整備が進んでおらず、沖縄本島で利用できる超高速通信が使えない。離島市町村が企業を誘致する際の不利な要素にもなっているという。
 ケーブル敷設の総事業費は約91億円。国の沖縄振興一括交付金で8割、県が2割を負担する。
 既に敷設済みのケーブルと合わせて二重につなぎ、宮古、八重山の「先島ループ」と南部周辺の「久米島ループ」の2地区でループ化を行う。
 海底光ケーブルがつながっておらず、無線で通信している与那国島や多良間島にも敷設し、本島都市部並みの環境を整備する。
 また現在は本島―宮古島間のケーブルが故障した際、宮古、八重山全域でインターネットや電話が使えなくなるが、ループ化により1カ所で故障が生じても通信障害を防げる。
 県総合情報政策課は「超高速通信の整備で、離島の教育や医療、防災などに貢献できれば」と期待した。
(古堅一樹)
英文へ→Okinawa to lay submarine optical cable to its remote islands