県有財産 効率運用へ FM導入、最適運営目指す


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 県は本年度から、県有財産を総合的に企画、管理、活用する経営手法「ファシリティマネジメント(FM)」の導入を進めている。2013年度現在、県が保有する建物の延べ床面積は類似県平均の約1・5倍あるが、建物の24%は築30年以上で、23年度には57%に達する見込み。県有地は全体の8・6%(約362ヘクタール)が未利用になっている。FMの導入で保有資産の縮小と長寿命化、効率的利活用を促し、課題の解消を図る。

 保有資産の縮小に向けては施設の集約や未利用財産の売却を促進。建物の劣化調査や計画的な予防保全工事に取り組み、建て替え時期の平準化に努める。また建物の余裕スペースを民間へ貸し付け、清掃などの業務委託で効率化を図る。
 FMは企業などで導入され、最少の経費で施設の最適な管理運営を目指す経営手法。近年は全国自治体で導入が進み、不用財産の売却による収入増や施設維持管理費の削減など具体的な成果が上がっているという。沖縄は復帰後に沖縄振興開発計画に基づき公営住宅や教育施設が集中的に整備されたことなどから、類似県と比較して県有財産が多い半面、維持管理費がかさんでいる。建物は築35年で建て替える事例が多く、築30年以上の建物が過半数となる23年度以降、財政負担の拡大が懸念される。
 県管財課は「FMの導入で計画的に県有財産を県民ニーズに合った規模にし、歳出抑制などの効果を生み出したい」と話している。