FC琉球、逆転負け サッカーJ3第10節


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前半2分 コーナーキックに飛び込み先制ゴールを決めるDF古賀鯨太朗(左)=4日、沖縄市陸上競技場

 サッカーJ3のFC琉球は4日、福島ユナイテッドと沖縄市陸上競技場で第10節を行い、1―3で敗れた。琉球は3勝2分け5敗。勝ち点は11、順位は8位のままだった。

琉球は前半2分、DF古賀鯨太朗がコーナーキックに頭で合わせて今季初得点。先制しゲームを優位に進めたが、前半終了間際に追いつかれた。後半33分にミスから失点すると、ロスタイムにも追加点を奪われた。次は11日午後1時、ガイナーレ鳥取と鳥取県のとりぎんバードスタジアムで対戦する。

琉球(3勝2分け5敗)(11)
1―3(1―1,0―2)
福島(2勝2分け6敗)(8)
▽得点者【琉】古賀【福】安東2、小林

 【評】FC琉球がミスから失点を重ね、逆転負けを喫した。先制した琉球が主導権を握るが、ユナイテッド福島の粘り強い守りの前に追加点を取れない。逆にDFのミスからボールを奪われ、前半45分に追いつかれた。後半は自陣深く守る福島に対して攻めあぐね、パスミスから失点。終盤、パワープレーの隙を突かれ、3点目も奪われた。福島はカウンターが鋭かった。(荒井良平)

◆負けるべくして負けた
 薩川了洋監督(FC琉球)の話 ミスから、相手にプレゼントするような失点で追いつかれた。(2失点目も)中盤でのミスから、DFの軽率なプレーが失点につながった。負けるべくして負けた試合だった。僕も(DFラインを安定させる方法を)少し考えたい。

◆初得点、ほろ苦く/DF古賀
 前節に続き、2試合目の先発出場を果たした新人DF古賀鯨太朗が、先制となる初ゴールを決めた。右からのコーナーキック。「田辺(圭祐)からいいボールが来ると信じていた」と後方から飛び込み、頭で決めた。「先制点は大事だと思っていた。取れて良かった」と喜んだ。
 しかしその後は「ふわふわしてしまった」と言う通り、ミスも目立った。本職の守備でいいところを見せられず、チームも逆転負け。初得点はほろ苦いものになった。
 薩川了洋監督からも「今日のDFラインに合格点はいない」と駄目出しを食らった古賀。「90分間通じて守れるようにならないと」と成長を誓った。

◆先制もミスで自滅
 前節、4得点で連敗を止め、勢いに乗るチーム。久しぶりのホーム。今季まだ1勝しか上げていない福島ユナイテッドとの対戦。そして立ち上がりの先制―。試合は、FC琉球のペースで進むはずだった。しかしミスの連発で自ら流れを手放すと、再び引き戻す力はなかった。集中力を欠き自滅した琉球が、痛い逆転負けを喫した。
 琉球はボールを保持しようとするが堅守の福島に縦パスが通らない。逆に不用意な横パスを何度もカットされ、カウンターを食らった。
 前半終了間際はゴールに迫られ、相手のシュートをはね返すもののセカンドボールをことごとく拾われる。最後はDFのミスからこぼれ球を拾われてそのまま決められた。「一番追いつかれたくない時間帯」(薩川了洋監督)の失点。MF小寺一生は「もっと落ち着いて守りたかった」と悔やんだ。2失点目もミスからだった。パスカットからあっさり右サイドを破られ、逆転を許した。
 運も味方してくれなかった。後半14分にはDF浅田大樹のクロスにMF藤澤典隆が飛び込むが、オフサイドの判定。数少ない好機を逃した。
 J3で10試合目。薩川監督は「いい試合をしても安定していない。メンタル面で弱いのかな」と若いチームの現状を分析する。
 この敗北を糧に、精神面で成長を見せられるか。真価が問われる。(荒井良平)