ハンマー投げ大学王者・知念雄、ラグビーへ転向


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ハンマー投げで活躍した知念雄は、ラグビーで世界を目指す=2013年7月、県総合運動公園陸上競技場

 高校総体、国体優勝、大学選手権2度制覇。陸上ハンマー投げで輝かしい実績を持つ知念雄(那覇西高―順天堂大―順天堂大大学院)がラグビー転向を目指し、トップリーグの東芝に練習生として加入した。

知念は「まだまだ道のりは長いが、日本代表を目指したい」と意気込む。投てきで国内の頂点を極めた23歳の若武者は世界へ向けて楕円(だえん)のボールを追っている。
 知念は5日から東芝の練習に参加。184センチ130キロの体格を生かし、スクラムの中心を担うプロップとして期待されている。
 父・信勝さんは大学選手権で円盤投げ日本一になった経験を持つ。弟・豪(ゼンリン)と妹・莉子(筑波大)も円盤投げのトッププレーヤー。沖縄が誇る“投てき一家”で育った。
 オフ期間のトレーニングとして、2012年10月から順大ラグビー部の練習や試合に参加していたところ、ラグビー関係者の目にとまった。「世界を目指そう」との誘いに「第一線でできるのはあと5~10年。精いっぱいできる種目を選ぼう」と新たな挑戦を決断した。
 高校で投てきを始めるまで野球、相撲など多くのスポーツに親しんできた。特にバスケットボールは中学の県選抜に選ばれたほどの実力者。「相撲をやってたので、ぶつかることへの怖さはない。ボールハンドリングやパスの距離感もバスケと似ている」と適応へ自信を見せる。
 同い年で、円盤投げのジュニア世代で日本一になった仲松美勇士(みゅうじ)クリシュナも4月、パナソニックに加入した。「今はまだ考えづらいけど、2人で代表に選ばれたら、沖縄のラグビーにとっても陸上にとっても夢のあることだ」。互いに切磋琢磨(せっさたくま)しながら、世界の高みを目指していく。