沖縄返還密約 必要性を否定 ハルペリン氏、西山氏と対談


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 【東京】沖縄返還交渉の担当者だったモートン・ハルペリン氏と、返還にまつわる密約を暴いた西山太吉元毎日新聞記者が10日、初めて対面した。千代田区の弁護士会館で開かれた「秘密保護法国際シンポジウム―米安全保障専門家が語る知る権利と秘密保護のあり方」(日本弁護士連合会主催)で、政府による密約と報道を取り上げ、秘密保護法の問題点と情報公開の必要性を討議した。

 コーディネーターをジャーナリストの土江真樹子氏らが務めた。
 ハルペリン氏はニクソン政権のキッシンジャー大統領補佐官の下で交渉を担当した。一方、西山氏は返還に伴い米側が支払うとした米軍用地の原状回復補償費などを日本側が秘密裏に負担する密約を交わしたことを暴いた。
 討議でハルペリン氏は、西山氏が暴いた密約について「当時、開示すべきだった。日本にとって国民反発を恐れ、秘密にしたことが問題だ。(開示しても)安全保障上の問題はなかった」と密約の必要性を否定した。
 西山氏は「日本は、交渉の結果という真実を国民に伝達するという民主主義の原則を守らない国だ。あれは密約ではなく、違法秘密だ」と断言し、情報公開法の改正を通して知る権利を確保しなければならないと強調した。