自転車・成海(普天間)2冠 県高校総体


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 2014年度県高校総体の先行競技・自転車が10日、県総合運動公園自転車競技場で始まった。成海大地(普天間)が男子1キロタイムトライアルと同ポイントレース(16キロ)を制して2冠を達成した。同4キロ速度競争は大濱光貴(北中城)が優勝。同チームスプリントは1分10秒797の北中城Aがトップだった。第2日の11日は大宜味村の大保ダム特設周回コースでロードレースが行われる。

◆試合巧者ぶり発揮 成海
 「負けられないプライドを持って走った」。3月の全国高校選抜大会ポイントレースで8位になった実力者・成海大地(普天間)が試合巧者ぶりを見せ、ポイントレースと1キロタイムトライアルの2冠を獲得した。
 ポイントレースは全48周のうち、6周ごとの順位で得点が入る。計8回のポイントは4回をトップ通過し、落ち着いて得点を重ねた。
 「全て1位を取りたい」と臨んだ3年の成海だったが、レースは成長著しい2人の2年生・當原隼人(与勝)、新城銀二(八重山)と3人で競う展開に。これまで「逃げ」でポイントを取ることが多かったが、九州、全国の強者との勝負を見据え「最後に差す」ことを狙った。2人を先に走らせ、ポイント獲得のタイミングに合わせてトップに立つ、うまさを見せつけた。
 「先輩として見せたいものがいろいろある」と県内の高校自転車界をけん引する自負もあるが、後輩の成長に「沖縄のレベルも高くなっている」と喜んだ。
 1キロタイムトライアルでも他を引き離したが「スタートダッシュができなかった」と課題を見つけて成長を続ける。11日は「最も得意とする」ロードレースでの優勝を狙う。目指すは個人追い抜きを含め、新人戦でも達成した4冠だ。
(関戸塩)

◆4周から先頭「当然の圧勝」 大濱、全国見据える
 4キロ速度競争は大濱光貴(北中城)が全12周のうち、4周目から先頭を維持する一人旅だった。
 「勝つことは当たり前」の大濱にとって狙いは北中城で3位まで独占することだったが、経験不足の1年生を引っ張りきれず「レースをコントロールしたかった」と悔やんだ。
 昨年の全国総体では準決勝で「勝てる」と思いながら駆け引きの経験不足から涙をのんだ。「今まで北中城は全国で成績を残してきた」とチームや自身を鼓舞しつつ、駆け引きへの対応と身体強化に励んできた。
 両親の協力で、住んでいる那覇から北中城へ通う毎日。全国で結果を残し「苦労をかけている両親に恩返ししたい」と意気込んだ。

16キロポイントレース決勝 36周目のポイント周回でスパートをかける成海大地(普天間)=10日午後、県総合運動公園自転車競技場(金良孝矢撮影)
大濱 光貴