大きな瞳は五輪の大舞台を見詰めている。ラグビー女子15人制の日本代表に、名桜大4年の加藤あかり(仲泊中―石川高)がバックスの一員として選ばれ、神奈川県での強化合宿(13~16日)に参加している。県内からラグビーのフル代表が選ばれるのは初めて。加藤は「技術はまだまだ」と控えめながら、誰にも負けない気持ちの強さで国際大会に挑む。
「オリンピックに出ることが目標」と語る21歳が、夢に向けて大きな一歩を踏み出した。
小中学生のころは陸上をやっており、高校時代にタグラグビーと出合った。大学1年生のとき、高校時代の監督に勧められて女子ラグビー九州選抜を決めるトライアウトに参加し、本格的に競技を始めた。
「タグラグビーとステップの間合いや距離感が違って大変だった」と戸惑いもあった。それでもタグラグビーにはないタックルを体感し、「感情をぶつけられる楽しさがあった」と魅力に取りつかれた。名桜大ラグビー部のOBから技術を学び、名護高や美里高の練習に合流してチームプレーを身に付けた。
4月に花園ラグビー場で行われた日本代表選考試合では2トライを決めて「強い気持ちで前に走れた」と振り返る。
守備では自分より体の大きな相手と対することもあるが、「絶対に止める。自分のところに来いと思っている」と負けん気の強さをのぞかせる。
今月下旬には香港でアジア大会が控えており、「世界を見られるのは大きな経験になる」と胸を高鳴らせる。2016年のリオデジャネイロ五輪も意識しており、「自分のプレーを多くの人に見てもらえる舞台になる」と期待も大きい。「いつかはオリンピックの中心選手になる」と目標を胸に抱き、フィールドを駆け抜ける。(平安太一)