「戦争知らぬ軍国少年」 内橋氏が安倍政権批判


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 会員制の講演会組織「琉球フォーラム」(主宰・富田詢一琉球新報社社長)の5月例会が14日、那覇市のザ・ナハテラスで開かれた。経済評論家の内橋克人氏が「日本経済のこれから―安倍・経済政策への警鐘」と題して講演。自身が経験した神戸空襲と経済評論家の視点から、安倍政権は「戦争を知らない軍国少年だ」と指摘し、政権運営に警鐘を鳴らした。

 内橋氏は、安倍晋三首相の政権運営について、三つのM(メディア・マネー・マインド)でコントロールしていると分析。メディアトップと頻繁に酒食を共にする安倍首相の手法や、政権の意向に沿う人物を登用した日銀総裁、内閣法制局長官、NHK会長のトップ人事などに触れ、安倍政権の統治手法を批判した。
 その上で、日本人は、頂点に立った人の心理に無意識に同調し、異議を唱える者を排除する「頂点同調主義」だと指摘。「トップの首をすげ替えれば、後は放っておいても全員が『頂点同調』をしてしまう」と危機感を募らせた。
 アベノミクスの評価についても、日銀の大規模な金融緩和策で、世の中に出回るお金を約74兆円増やしたが、「70兆円が日銀の当座預金口座に塩漬けになっている」と効果を否定。貿易収支の大幅な赤字にも触れ「燃料輸入の増加ではなく、生産の空洞化が進んでいる」と指摘。「(政権が駆使する)たくさんのトリック、レトリックに惑わされてはならない」と強調した。

内橋克人氏の安倍政権に対する評価や考え方を聞く参加者ら=14日、那覇市のザ・ナハテラス
内橋 克人氏