“海外”糧に飛躍誓う ロードレーサー内間移籍


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ことしから所属を変え、飛躍を期す内間康平=12日、県総合運動公園(花城太撮影)

 イタリアを拠点に活動してきた自転車ロードレースのプロ選手・内間康平(25)=北中城高―鹿屋体大出=が1月に国内トップクラスのチーム「ブリヂストンアンカー」に移籍し、早くも存在感を示している。

日本チームの一員として出場した3月のツール・ド・台湾はアジア人トップの総合9位という好成績を収めた。18日には現所属で4戦目となるツアー・オブ・ジャパンも開幕する。
 自転車に乗り始めたのは小学5年生ごろ。ツール・ド・おきなわに参加するようになり、北中城高で本格的に競技を始めると頭角を現した。2006年に全国高校総体のロード種目で県勢初優勝。大学でも全国制覇を果たし、U―23(23歳以下)の日本代表に選ばれるなど世代を引っ張る選手として実績を挙げた。
 11年からはイタリア拠点のチームにプロとして所属し、3年間活動した。内間は本来、平たん区間を得意とする「スプリンター」タイプ。だが、イタリアのコースは上り坂が多いという特性もあり、チームではエースを勝たせるためのアシスト役を求められた。
 「パワーで押し切れるフランスの方が自分には向いている」と移籍を決意。昨秋、国内とフランスを中心に転戦するブリヂストンアンカーに自ら交渉し、契約を勝ち取った。
 イタリアでは成績を残せずもどかしい思いをした一方、得たものもある。密集の中、チーム単位の戦略がぶつかり合うロードレース。寝る以外ほとんどの時間を仲間と過ごす慣習を通し、信頼関係を築くすべを学んだ。さらに「アシストのきつさを経験し、仲間がサポートしてくれた分頑張らないといけないという思いも強くなった」。
 3月の台湾では、海外経験を生かして欧州勢にアジア人で唯一食らいついた。手応えを胸に「『勝て』と言われたら確実に勝てる選手になりたい」と意気込む。国際自転車競技連合(UCI)による格付けで現所属チームは上から3番目のカテゴリーだ。トップカテゴリーでは新城幸也(ヨーロッパカー)らが活躍しており「自分もあの位置にいかないといけない」との思いもある。
 ことし最大の目標には、出場すれば2年ぶりとなるツール・ド・おきなわを挙げる。「必ず勝ちたい」。原点となった大会で、勇姿を見せる。(大城周子)