農連市場を再開発 構想30年、18年度完成へ


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農連市場再開発事業の概要

 那覇市樋川の農連市場の再開発を目指す農連市場地区防災街区整備事業が19日、県に認可された。1984年の再開発構想案の策定から30年越しで実現に向けて大きく動き出す。

 店舗や駐車場などを収容する建物や分譲住宅、市管理の保育所と集会所、市営住宅などが集まる地区など約3・2ヘクタールの再開発を予定。従来の農連市場の機能を維持しつつ、災害に強く、県民や観光客に魅力のある街づくりを目指す。
 事業主体の那覇市農連市場地区防災街区整備事業組合は「人とモノが行き交い、沖縄文化の中で生き生きと住み続ける『マチグヮーセンター』をコンセプトに再生を図りたい」としている。
 農連市場の再開発は、84年に那覇市と住宅都市整備公団(現・都市再生機構)が整備構想案を策定。地権者などとの交渉や計画に関する合意形成に時間がかかっていた。
 農連市場は1953年に琉球農連(現JAおきなわ)が設置。延焼防止や災害避難などが街づくりで考慮されておらず、老朽化した建物の耐火性もたびたび問題視されていた。事業認可によって、耐震性・耐火性の高い建物や避難路などを整備する。
 周辺に小中学校があることから家族向けの居住に適しており、分譲住宅や市営住宅、保育所の整備も進める。特に若年世帯の居住を促すことで地域活性化を狙う。店舗では現在の相対売りを継承することで、観光客の集客も図る。
 今後は、6月2日に組合の設立総会を開催し、2014年度中に整備する建物の設計を実施する。15年度に着工し、18年度中の完成を予定している。